『劇場版ポケットモンスター ココ』は、幻のポケモン・ザルードに育てられた少年ココが、サトシとピカチュウとの出会いを通じて、自分が何者なのか、そして本当の親子の絆とは何なのかを見つけていく物語です。2020年12月25日に公開されたポケモン映画シリーズ第23作で、舞台となるのは、外部の人間を寄せ付けないポケモンたちの楽園「オコヤの森」。上白石萌歌がココ、中村勘九郎がザルード、松本梨香がサトシを演じました。
本作の魅力は、ポケモンと人間の共存というシリーズのテーマを、血縁だけでは説明できない親子関係に重ねて描いた点にあります。色違いのセレビィの登場、森を脅かす人間側の開発計画、岡崎体育とトータス松本による主題歌など、物語を彩る要素も豊富です。2026年11月時点の作品情報を踏まえ、あらすじ、声優、親子関係の真相、結末、評判まで詳しく整理します。
【あらすじ】オコヤの森で始まったココとザルードの物語

人間の赤ん坊を拾った幻のポケモン
物語の舞台は、人里から遠く離れたジャングルの奥地にある「オコヤの森」です。ここは厳しい掟によって守られたポケモンたちの楽園であり、外部の人間が簡単に立ち入ることはできません。
森に暮らすザルードの一匹は、ある日、川辺に流れ着いた揺りかごの中から人間の赤ん坊を発見します。
人間とポケモンは共存できないという森の掟に反する行為でしたが、ザルードは赤ん坊を見捨てることができませんでした。仲間たちの反対を受けながらも群れを離れ、その子を自分の子どもとして育てる道を選びます。
ザルードは赤ん坊に「ココ」という名前を与えました。こうして、ポケモンに育てられた人間の少年と、彼を父親として育てる幻のポケモンの生活が始まります。
サトシとピカチュウとの出会い
それから約10年。成長したココは、自分自身をポケモンだと信じてオコヤの森で暮らしていました。
そんなある日、森を訪れたサトシとピカチュウに出会います。ココにとって、サトシは初めて接する人間の友達でした。
サトシと過ごす時間が増えるにつれ、ココは自分と父ちゃんの違いに気づき始めます。言葉や身体の特徴、生活習慣など、それまで疑問に思わなかったことが少しずつ気になり始めるのです。
自分は本当にポケモンなのか。それとも人間なのか。
この疑問が、ココとザルードの関係を大きく揺さぶっていきます。
オコヤの森を脅かすビオトープ・カンパニー
物語のもう一つの軸となるのが、研究組織「ビオトープ・カンパニー」です。
同社は森に存在する治癒の泉を研究しており、その中心にいるのがゼッド博士です。研究員のカレンも、博士の助手として調査に参加しています。
治癒の泉には傷を癒やす力があり、その源は森の奥にある大樹に隠されています。しかし、その力を人間の利益のためだけに利用しようとするゼッド博士の行動が、オコヤの森全体を危険にさらしてしまいます。
ココはサトシとともに、自分の出生に隠された秘密と森を守るための戦いに向き合うことになります。
【親子関係の真相】ココとザルードは本当の親子なのか
ココの正体は人間の少年だった
本作の大きな謎は、ココが本当にポケモンなのかという点です。
結論からいえば、ココはポケモンではなく人間です。しかも、彼には人間としての出生記録と実の両親が存在していました。
物語の中で明らかになるココの本名は「アル・モリブデン」。実の両親は、ビオトープ・カンパニーの前所長だったクロム・モリブデン博士とリン・モリブデン博士です。
両親は治癒の泉の研究に携わっていましたが、オコヤの森を守るために研究を中断する判断を下していました。
ところが、その方針に反対したゼッド博士は、研究を進めるために両親を追い詰めます。10年前の事件で両親は命を落とし、赤ん坊だったココは川に流されることになりました。
その後、ココを発見したのがザルードです。つまり、ザルードは血縁上の父親ではありませんが、赤ん坊の頃からココを育ててきた養父にあたります。
血のつながりよりも大切な育てるという選択
ココとザルードの関係が印象的なのは、親子という関係を血縁だけで定義していないことです。
ザルードは人間の赤ん坊を拾った時点で、自分とは違う種族の子どもを育てるという選択をしています。群れから離れることになっても、ココを見捨てませんでした。
一方、ココにとってもザルードは単なる保護者ではありません。食べ物を分け合い、一緒に木の実を育て、危険から守ってくれた存在です。
ココがザルードを「父ちゃん」と呼ぶのは、出生上の親子関係とは別に、長い時間をともに過ごして築いた信頼があるからです。
この構図は、人間とポケモンという種族の違いを超え、子どもを育てることの意味を問いかけています。
【声優・キャスト一覧】上白石萌歌、中村勘九郎、松本梨香らが出演
本作では、長年ポケモンシリーズを支えてきた声優陣に加え、俳優やタレントなどのゲスト出演者が参加しています。
特に注目されるのが、ココを演じた上白石萌歌と、ザルードを演じた中村勘九郎です。物語の中心となる親子を、異なる表現方法を持つ二人が担当しています。
| キャラクター | 担当キャスト | 役柄・注目ポイント |
|---|---|---|
| ココ | 上白石萌歌 | ザルードに育てられた人間の少年。物語の主人公。 |
| ザルード | 中村勘九郎 | ココを育てた幻のポケモン。ココの父ちゃん。 |
| サトシ | 松本梨香 | 世界一のポケモンマスターを目指す少年。 |
| ピカチュウ | 大谷育江 | サトシとともに旅をするパートナー。 |
| ゼッド博士 | 山寺宏一 | 治癒の泉を研究するビオトープ・カンパニーの博士。 |
| カレン | 中川翔子 | ゼッド博士の助手を務める研究員。 |
| ムサシ | 林原めぐみ | ロケット団のメンバー。 |
| コジロウ | 三木眞一郎 | ロケット団のメンバー。 |
| ニャース | 犬山イヌコ | 人間の言葉を話すロケット団のポケモン。 |
| ナレーション | 堀内賢雄 | 物語のナレーションを担当。 |
ココ役・上白石萌歌の演技
ココ役を担当した上白石萌歌は、実写作品や舞台、音楽活動など幅広い分野で活躍する俳優です。
本作では、ポケモンのような生活を送ってきた少年の純粋さと、人間である自分に気づいたときの戸惑いを表現しています。
ココは一般的な少年の話し方や振る舞いとは異なる環境で育った人物です。人間の言葉を十分に知らない段階から、少しずつ他者とのコミュニケーションを覚えていく過程が演技の見どころです。
ザルード役・中村勘九郎の存在感
ザルードを演じたのは、歌舞伎俳優の中村勘九郎です。
ザルードは、荒々しく頑固な性格でありながら、ココに対しては深い愛情を持つキャラクターです。
特に、普段はぶっきらぼうな態度を見せる一方で、ココを守るためには自分を犠牲にする覚悟を持つという二面性が重要です。
この役柄は、父親としての不器用さと力強さを同時に表現する必要があります。中村勘九郎の出演は、本作の親子ドラマを印象づけるキャスティングとなりました。
サトシ役・松本梨香とシリーズおなじみの声優陣
サトシ役は松本梨香、ピカチュウ役は大谷育江が引き続き担当しています。
加えて、林原めぐみ、三木眞一郎、犬山イヌコによるロケット団の掛け合いも健在です。
本作ではココとザルードが中心となるため、サトシの役割は新しい主人公を支え、異なる世界をつなぐ案内役としての側面が強くなっています。
【結末ネタバレ】ザルードの決断と色違いセレビィの意味
※ここからは物語の核心とラストシーンに触れます。未鑑賞の方はご注意ください。
ゼッド博士との戦いで試される親子の絆
ゼッド博士は、治癒の泉の力を利用するため、オコヤの森の大樹を調査し、重機を使って森を破壊し始めます。
森を守ろうとするザルードたちは、かつて距離を置いていた仲間たちにも協力を求めます。群れの掟を守ることだけを優先していたザルードが、森全体のために頭を下げる姿は、彼自身の変化を示しています。
しかし、戦いの中でザルードは深い傷を負ってしまいます。
ココは父ちゃんを救うために治癒の泉へ向かいますが、泉はゼッド博士の攻撃によって本来の力を失いつつありました。
そこでココは、ザルードたちが使う回復技「ジャングルヒール」を発動します。人間であるココが、育ての父から受け継いだ力を使って父を救う場面は、本作の大きなクライマックスです。
ココは人間とポケモンの架け橋になる道を選ぶ
ゼッド博士の計画は阻止され、博士は逮捕されます。カレンたち研究員も森の再生に協力することを決め、オコヤの森は少しずつ本来の姿を取り戻していきます。
ザルードとココは、群れに戻ることを認められます。
しかし、ココは以前とは違う考えを持つようになっていました。自分は人間でありながら、ポケモンたちとともに育ってきた。その経験を生かし、人間とポケモンをつなぐ存在になりたいと考えるようになったのです。
ココは独り立ちして旅に出ることをザルードに告げます。
ザルードは表面上、冷たい態度を取り、ココの旅立ちを引き止めません。しかし、ココのバッグには二人で育てた木の実を忍ばせていました。
言葉では素直に愛情を伝えられなくても、息子の未来を応援している。その不器用な見送りこそ、本作で特に心に残る場面の一つです。
ラストに登場するピンク色のセレビィとは
映画の最後には、通常とは異なるピンク色のセレビィが姿を現します。
セレビィは、オコヤの森の守り神とされる幻のポケモンです。通常の緑色ではなく、色違いのピンク色で登場することが公式作品情報でも紹介されています。
セレビィの登場は、森に平和が戻ったことを象徴する演出として受け取れます。物語の終盤に姿を見せることで、自然が再生していく未来への希望を感じさせます。
なお、色違いセレビィは映画だけでなく、スマートフォンゲーム『Pokémon GO』との連動企画でも話題になりました。
2020年12月には映画公開記念のスペシャルリサーチが実施され、達成報酬として色違いセレビィを入手できる企画が行われました。この配布は期間限定イベントであり、現在も同じ条件で受け取れる恒常的な配布ではありません。
【主題歌・音楽】岡崎体育とトータス松本が描く親子の愛
『劇場版ポケットモンスター ココ』の音楽を語るうえで欠かせないのが、岡崎体育の存在です。
本作では、岡崎体育がメインテーマを含む劇中楽曲全6曲をプロデュースしました。ポケモン映画において、一人のアーティストが複数の楽曲をまとめて手掛ける初の試みとしても紹介されています。
メインテーマ「ふしぎなふしぎな生きもの」
メインテーマは、岡崎体育が作詞・作曲を担当し、ウルフルズのトータス松本がボーカルを務める「ふしぎなふしぎな生きもの」です。
この楽曲の特徴は、親子という関係を育てる側の視点から描いていることです。
ザルードは人間ではありません。それでもココを育て、食べ物を与え、危険から守り、成長を見守ってきました。血縁のない子どもを育てる父親の気持ちが、トータス松本の温かみのある歌声と重なります。
劇中で使用される6曲
- 「掟の歌」:SiNRiNが歌う、ザルードたちに伝わる歌。
- 「ココ」:Beverlyが歌うオープニングテーマ。
- 「Show Window」:岡崎体育がボーカルも担当する楽曲。
- 「森のハミング」:東京都日野市立七生緑小学校合唱団が参加。
- 「ふしぎなふしぎな生きもの」:トータス松本が歌うメインテーマ。
- 「ただいまとおかえり」:木村カエラが歌うエンディングテーマ。
オープニングからエンディングまで、ココの成長とザルードの愛情を音楽によって表現する構成になっています。
特に「ただいまとおかえり」は、家族の帰る場所や安心できる居場所を連想させる楽曲です。物語のラストを見届けた後に聴くと、歌詞やメロディーの印象も変わってきます。
【評判・感想】劇場版ポケットモンスター ココはなぜ感動作と評価されるのか
Filmarksなどのレビューで見える評価
映画レビューサービスFilmarksでは、2026年10月末時点の掲載情報で、本作は5点満点中3.9点、約9,086件のレビューを集めています。
映画.comでも4.2点(107件)という評価が掲載されています。サービスごとに利用者層や採点傾向が異なるため、数値を単純に比較することはできませんが、一定の支持を得ている作品であることがうかがえます。
評価されているポイント
レビューで目立つのは、ココとザルードの親子関係に対する評価です。
特に、次のような点が作品の魅力として挙げられています。
- 親子愛:血縁のない二人が本当の親子のように成長していく過程。
- 感情表現:ザルードの不器用な優しさとココの成長。
- 音楽:岡崎体育が手掛けた楽曲と物語の一体感。
- 自然描写:ジャングルや森の大樹を中心とした映像表現。
- メッセージ性:人間とポケモンが共存するために必要な相互理解。
好みが分かれる可能性があるポイント
一方で、本作はサトシとピカチュウの活躍を中心にした従来型のポケモン映画とは少し違います。
物語の中心はあくまでココとザルードです。そのため、サトシのバトルやシリーズおなじみのポケモンたちの活躍を期待している人にとっては、従来作とは異なる印象を受ける可能性があります。
また、後半では環境保護や研究開発の倫理といったテーマも描かれます。単純なポケモンバトルだけを楽しみたい人よりも、物語の背景や登場人物の心情をじっくり味わいたい人に向いています。
評価を見る際には、興行成績やレビュー点数だけでなく、作品が何を描こうとしているのかを踏まえることが大切です。
【2026年最新情報】ココの続編は?ポケモン映画の今後
2020年から2026年までの位置づけ
『劇場版ポケットモンスター ココ』は、2020年12月25日に公開されたシリーズ第23作です。
当初は2020年7月10日の公開が予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で公開日が延期され、クリスマス公開となりました。
この作品以降、ポケモンの長編アニメ映画はしばらく新作が制作・公開されない期間に入ります。テレビアニメも2023年から主人公がサトシからリコとロイに交代し、シリーズ全体が新しい時代へ移行しました。
2026年8月に新作映画『ポケモン:ワイルドカード』が発表
2026年の大きなニュースは、8月31日に発表された新作アニメ映画『ポケモン:ワイルドカード』です。
ポケモンワールドチャンピオンシップス2026で発表されたこの作品は、2027年に全世界公開予定とされています。
発表内容によると、ポケモンカードゲームを題材とする初の長編アニメ映画で、主人公はポケモンカードプレイヤーのミキヤです。監督は北田勝彦、キャラクターデザインは林明美、アニメーション制作はCloverWorksが担当します。
これは『ココ』以来、7年ぶりとなる新作ポケモン映画です。ただし、『ポケモン:ワイルドカード』は『ココ』の直接的な続編ではありません。
2026年11月時点で注目すべきなのは、ポケモン映画そのものが新しい題材と制作体制へ進み始めたことです。『ココ』は、サトシが主人公を務めた長編映画シリーズの一区切りとなる作品として、改めて位置づけられています。
2026年の配信状況について
動画配信については、2026年10月16日付の配信情報比較サイトの調査で、U-NEXT、Amazon Prime Video、DMM TVの3サービスが見放題対象として掲載されていました。
ただし、映画の配信権や配信期間は変更されることがあります。視聴する際は、各サービスで作品名を検索し、見放題かレンタルかを確認するのが確実です。
【よくある質問】劇場版ポケットモンスター ココに関するFAQ
Q1:劇場版ポケットモンスター ココの公開日はいつですか?
A1:2020年12月25日です。当初は同年7月10日の公開予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期されました。
Q2:ココとザルードは本当の親子ですか?
A2:血縁上の親子ではありません。ココは人間の少年で、本名はアル・モリブデンです。ザルードが赤ん坊の頃に発見し、自分の子どもとして育てた養父と息子の関係です。
Q3:ココ役とザルード役の声優は誰ですか?
A3:ココ役は上白石萌歌、ザルード役は中村勘九郎です。サトシ役は松本梨香、ピカチュウ役は大谷育江が担当しています。
Q4:映画の最後に登場するピンク色のポケモンは何ですか?
A4:色違いのセレビィです。通常の緑色とは異なるピンク色で、オコヤの森の守り神として登場します。
Q5:メインテーマを歌っているのは誰ですか?
A5:岡崎体育が作詞・作曲した「ふしぎなふしぎな生きもの」で、ボーカルはウルフルズのトータス松本が担当しています。エンディングテーマは木村カエラの「ただいまとおかえり」です。
Q6:2026年現在、続編の公開は決まっていますか?
A6:2026年11月時点で、『ココ』の直接的な続編の公開予定は確認されていません。2026年8月には別作品『ポケモン:ワイルドカード』が発表され、2027年の世界公開が予定されています。
まとめ:劇場版ポケットモンスター ココが2026年も心に残る理由
『劇場版ポケットモンスター ココ』は、ポケモンに育てられた少年の成長を通して、親子とは何か、家族とは何かを描いた作品です。
ココは人間として生まれました。しかし、彼を育てたのは幻のポケモン・ザルードでした。血縁関係がなくても、長い時間をともに過ごし、互いを思いやることで親子になれる。そのメッセージが作品全体を貫いています。
上白石萌歌と中村勘九郎による声の演技、松本梨香をはじめとするおなじみの声優陣、岡崎体育とトータス松本による音楽も、物語の魅力を支えています。
また、オコヤの森の危機や色違いセレビィの登場には、自然環境と人間社会の関係を考えさせる要素も含まれています。
2026年には新作映画『ポケモン:ワイルドカード』の発表もあり、ポケモン映画は新たな展開を迎えています。その一方で、『ココ』が描いた親子の絆というテーマは、シリーズの変化を超えて楽しめる普遍的な魅力を持っています。
ポケモン映画を初めて観る人にも、長年シリーズを追い続けてきたファンにもおすすめできる一作です。特に、物語の最後にザルードが見せる不器用な愛情は、鑑賞後も長く心に残るでしょう。
主な参照資料・情報源
- ポケモン公式サイト「劇場版ポケットモンスター ココ」作品・ストーリー・キャラクター情報
- ポケモン映画公式サイト「音楽」
- Pokémon GO公式発表「映画コラボイベント」
- オリコンニュース(2026年8月31日)新作映画発表記事
- Filmarks映画・映画.comの作品評価
- 日本動画協会「アニメ産業レポート」
- RENOTEの作品ストーリー解説