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【誕生の秘密】1986年の初代「キャンデーボール」はどんなアイスだった?

長谷 莉子 長谷 莉子 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
目次

江崎グリコの公式ブランド資料によると、アイスの実の開発構想が生まれた背景には、1980年代前半のお菓子市場の動きがありました。

当時はチョコレートスナックやキャラメル、ドロップなど、ひと口サイズで手軽に食べられるお菓子が人気を集めていました。一方、アイスはカップ入りや棒付きの商品が一般的で、お菓子のように気軽につまめる商品は多くありませんでした。

そこでグリコが着目したのが、アイスを小さな球状にして、ひと粒ずつ食べるという新しいスタイルです。

こうして1986年に一般店で発売されたのが、初代の「キャンデーボール」でした。商品名には「アイスの実」という名称も使われていましたが、正式な商品名が現在の名称に変わるのは1989年です。

初代は赤箱と青箱の2種類!昔の味は4種類ずつ

昔のアイスの実を語るうえで外せないのが、初代パッケージに入っていた4種類のフレーバーです。

小学館の情報メディア「@DIME」が2025年に江崎グリコの商品担当者へ取材した記事では、初代商品は赤色と青色の縦型の箱で展開されていたことが紹介されています。

1986年発売・赤箱のフレーバー

- ミルク
- チョコレート
- アップル
- 乳酸パイン

1986年発売・青箱のフレーバー

- ミルク
- チョコレート
- オレンジ
- ブルーベリー

つまり、昔のアイスの実は、赤箱と青箱で異なる4種類の味を楽しめる商品でした。

現在のように1袋を開けると同じ味が並んでいるのではなく、食べ進めるたびに違う味に出会えることが魅力だったのです。

特にミルクとチョコレートは両方の箱に共通して入っており、それぞれに異なるフルーツ系の味が組み合わされていました。

この仕組みは、単に複数の味を詰め合わせただけではありません。ひと袋の中で味を選ぶ楽しさを提供する、当時としては個性的な商品設計でした。

1989年に「アイスの実」へ名称変更

発売から3年後の1989年、商品名は「キャンデーボール」から「アイスの実」に変更されました。

江崎グリコの公式ブランドヒストリーにも、この年が名称変更の節目として記録されています。

名称変更後も、異なるフレーバーを組み合わせて楽しむ基本的な商品スタイルは引き継がれました。

この1989年の変更は、現在まで続くブランドの出発点ともいえる出来事です。2026年時点では、発売から40年、現在の名称になってから37年を迎えています。

【歴代パッケージ】箱型からパウチへ!アイスの実の容器はどう変わった?

アイスの実昔

昔のアイスの実を懐かしく感じる人が多い理由のひとつが、パッケージの変化です。

現在はおなじみの袋型パウチですが、発売当初からこの形だったわけではありません。

江崎グリコの2025年5月改訂のブランド資料では、初代の縦型箱から横型箱、再び縦長の容器、そしてパウチへと変わってきた歴史が紹介されています。

初代:1986年~1988年ごろ

初代は縦型の箱入りでした。

赤箱と青箱の2種類があり、箱を開けると内袋に4種類のフレーバーが入っている構造です。

現在のパウチと比べると、外箱と内袋の両方を開ける必要があり、包装にも特徴がありました。

1996年:トップオープンの横型パッケージ

1996年には、パッケージを横型に変更しました。

上部から開けるトップオープン方式が採用され、初代の縦型とは違う形状になっています。

長年アイスの実を食べていた人にとっては、この横型の箱を記憶しているケースもあるでしょう。

2001年:持ち運びやすい縦長容器

2001年には、容器を再び縦長に変更しました。

この時期は、商品コンセプトそのものも転換しています。従来の複数フレーバーを楽しむ商品から、すっきり冷たいフルーツアイスへと方向性を変えた時期です。

縦長の形状は持ち運びやすさを意識したもので、外出先でも楽しみやすい商品設計につながりました。

2009年:箱型からパウチ型へ

大きな転換点になったのが2009年です。

この年、従来の箱型容器からパウチ容器へと変更されました。

箱を開けて、さらに内袋を開けるという手間を減らし、袋から直接ひと粒ずつ食べられるようにしたのです。

ひと口サイズという商品の特徴を、パッケージでも生かす変更でした。

2010年:2WAYオープンを採用

パウチ化の翌年、2010年には開封方法がさらに進化しました。

- プチオープン: 小さな開け口から、手で直接触らずにひと粒ずつ食べられる。
- ワイドオープン: 大きく開いて、一度にたくさん取り出せる。

この2WAY方式は、現在のパッケージにも受け継がれている特徴です。

少しずつ食べたいときと、まとめて取り出したいときで使い分けられるため、商品の利便性が大きく向上しました。

【味の歴代変遷】4種類入りからフルーツ中心、そして1袋2味へ

昔のアイスの実と現在の商品を比較すると、味の展開にも大きな違いがあります。

注目したいのは、単純にフレーバーの種類が変わったのではなく、消費者が味を選ぶ方法そのものが変化していることです。

2001年:フルーツ系フレーバーに統一

2001年は、アイスの実にとって味の方向性を大きく変えた年です。

それまでのアイスの実には、ミルクやチョコレートなどのクリーム系も含まれていました。

しかし、この年から「すっきり冷たいフルーツアイス」というコンセプトに変更されます。

グリコの担当者は、2025年の取材記事で、商品名から連想されるフルーツのイメージを生かし、ほかのアイスブランドとの差別化を図ったと説明しています。

これによって、現在につながるフルーツ中心のブランドイメージが形成されました。

2013年:1袋1味に変更!好きな味だけを楽しめる時代へ

2013年には、それまでの複数フレーバー入りから、1袋に1種類の味を入れる方式に変更されました。

背景にあったのは、消費者の好みの変化です。

昔の4種類入りは、いろいろな味を楽しめる反面、必ずしもすべての味が好きとは限りません。

例えば、チョコレート味が好きでも、特定のフルーツ味はあまり食べたくないという人もいます。

そこでグリコは、好きな味を思い切り楽しみたいというニーズに対応しました。

この変更後、ぶどう、もも、オレンジなどのフルーツフレーバーを中心に商品が展開されます。

加えて、江崎グリコが2024年に発表した資料によると、2013年の単味化から2018年までの5年間で、ブランド売上は3.1倍に伸長しました。

好みの味だけを選べる仕組みが、商品を成長させる大きな要因になったことが分かります。

2014年:シャーベットから濃厚ジェラートへ

2014年には、味だけでなく食感や商品イメージも変化しました。

従来の「ポップでかわいいひとくちアイス」から、「とろける濃厚フルーツジェラート」へとコンセプトを変更しています。

昔のアイスの実をシャリシャリとしたシャーベットのイメージで覚えている人にとって、現在の商品との大きな違いに感じられる部分です。

現在の商品は、内側に濃厚なジェラートを入れ、外側を薄い氷のコーティングで包む二層構造になっています。

しかも外側のコーティングにも果汁が使われており、ひと粒を食べたときに素材の味わいを感じられる設計です。

2024年:1袋2味が新定番に!

2024年9月9日、アイスの実は再び大きな方向転換を行いました。

新たに登場したのが「アイスの実<ぶどうマスカット>」です。

1袋の中に、

- ぶどう味:6粒
- マスカット味:6粒

という構成で、合計12粒が入っています。

これは2013年の単味化とは逆方向の変更にも見えますが、実際には両方の長所を取り入れた商品設計です。

好きな味をしっかり楽しめることに加え、2種類の味を食べ比べる楽しさも復活しました。

さらに2024年には「白桃黄桃」も登場し、複数のフレーバーを楽しむスタイルが広がっています。

グリコはこの1袋2味化について、従来のアイスの実が持っていた「選ぶ楽しさ」と、単味化によって実現した「好きな味を楽しむ」ことの両立を目指したと説明しています。

【歴代年表】アイスの実のパッケージ・味・商品コンセプトを比較

ここまで紹介した歴史を、年代別に整理します。

年代 パッケージ・商品名 味・コンセプトの変化 1986年 キャンデーボール。縦型の箱 赤箱・青箱でそれぞれ4種類の味を展開 1989年 アイスの実へ名称変更 異なる味を組み合わせる楽しさを継続 1996年 トップオープンの横型箱 箱の形状を変更 2001年 持ち運びやすい縦長容器 フルーツ系フレーバーに統一 2009年 パウチ容器へ変更 袋から直接食べられるスタイルへ 2010年 2WAYオープンを採用 プチオープンとワイドオープンに対応 2013年 1袋1味へ変更 好きなフレーバーだけを楽しむ方式に 2014年 ジェラート路線へ とろける濃厚フルーツジェラートに進化 2018年 ブランドコンセプトを刷新 濃い味わいによるリフレッシュを重視 2024年 1袋2味が新定番に ぶどうとマスカットなどを組み合わせる 2026年 発売40周年 アサイーミックスなど新しい素材を展開

この年表から見えてくるのは、アイスの実が単にパッケージを新しくしてきた商品ではないということです。

容器の変更は食べやすさを改善し、味の変更は消費者の好みに対応し、食感の変更は商品そのものの価値を高めてきました。

それぞれの転換点が、次の時代のアイスの実につながっています。

【昔と現在の違い】味・食感・容器を比較すると進化の理由が分かる

昔のアイスの実と現在の商品を比較すると、主に5つの違いがあります。

比較項目 昔のアイスの実 現在のアイスの実
商品名 キャンデーボールからアイスの実へ アイスの実
容器 紙箱・箱型 パウチ
味の構成 1箱に複数の味 1袋1味・1袋2味
主な味 ミルク・チョコ・フルーツなど フルーツ・カフェオレなど
食感・特徴 シャーベットをイメージした商品 濃厚ジェラートと薄い氷の二層構造

大きく変わったのは食べ方と味の選択肢

昔のアイスの実は、ひと箱の中に複数の味があることが魅力でした。

その一方で、好きではない味も一緒に入ってしまうという課題がありました。

2013年の単味化は、その問題を解消するための変更です。

そして2024年には、消費者から寄せられた複数味への要望に応え、1袋2味という新しい形に進化しました。

つまり、昔の複数味入りと現在の2味入りは、似ているようで商品設計の考え方が異なります。

昔は「いろいろな味を楽しめること」が中心でしたが、現在は「好きな味を選びながら、別の味も楽しめること」を目指しています。

形と二層構造はブランドの大切な個性

意外に知られていないのが、丸い形状と二層構造へのこだわりです。

2025年の@DIMEによるグリコ担当者への取材では、アイスの実の開発当初から、丸い形、二層構造、食べやすい粒の大きさの3点が重視されていたと紹介されています。

特に二層構造の開発では、凍ったマグロの表面を氷で覆って鮮度を保つ方法がヒントになったというエピソードが明かされています。

小さなジェラート同士がくっついたり、温度変化で形が崩れたりする課題を解決するため、外側に氷の膜を作る発想につながったそうです。

見た目は小さな丸いアイスですが、その形を維持して食べやすさを実現するために、長年の技術開発が重ねられてきました。

昔の味を知っている人が現在の商品を食べると?

2020年6月、江崎グリコはアイスの実について、2万人を対象としたイメージ調査を公表しました。

その調査では、認知率87.0%、喫食経験70.4%という結果が示されています。

また、10年以上食べていなかった人に現在の商品を試してもらう調査では、次のような評価の変化が報告されました。

- 「味が濃厚」:58.3%から86.7%
- 「とろけるような食感」:45.0%から83.3%
- 「本格感がある」:36.7%から88.3%

加えて、実際に食べた人の98%が昔と比べておいしくなっていると回答したと発表されています。

これはメーカーが実施した調査であり、すべての消費者の評価を示すものではありません。ただ、昔の印象と現在の商品に違いを感じる人が多かったことを示す興味深いデータです。

【2026年最新】アイスの実は40周年!現在の味と新商品の動向

2026年11月3日時点

2026年は、アイスの実が1986年に発売されてから40周年を迎える節目の年です。

昔のキャンデーボールから始まった商品は、現在も江崎グリコのロングセラーブランドとして展開されています。

2026年に注目したい「アサイーミックス」

2026年9月30日、江崎グリコは「アイスの実<アサイーミックス>」のリニューアルを発表しました。

発売日は2026年10月5日です。

今回のリニューアルでは、2025年に発売された「アイスの実<アサイーボウル>」よりもアサイーの濃度を高め、アサイー本来のコク深い味わいを楽しめるように改良されています。

40周年を迎える年にも、新しい素材に着目した商品開発が続いていることが分かります。

2026年11月時点の公式商品ラインアップ

江崎グリコの公式商品ページに掲載されている商品は、次の5品目です。



アイスの実 ぶどうマスカット

ぶどうとマスカットの2種類を楽しめる商品。昔の複数味入りを現代的に進化させた代表的な商品。


アイスの実 アサイーミックス

2026年10月リニューアル。アサイーの濃厚なコクを楽しめるフレーバー。


アイスの実 とろけるカフェオレ

北海道産生クリームとキリマンジャロコーヒーを組み合わせたクリーミーな味わい。


アイスの実 濃密りんご

国産ふじりんごの果肉を使用した、ジューシーなりんごの味わい。


アイスの実 Wジェラート〈苺・ミルク〉

苺とミルクの2種類のジェラートを組み合わせた商品。



昔はミルクやチョコレートなどを含む4種類の味が中心でしたが、現在はフルーツの濃厚さや素材の個性を楽しむ商品が充実しています。

また、1袋2味の商品も登場し、単味化だけではない幅広い楽しみ方ができるようになっています。

なお、季節限定商品は販売時期によって入れ替わります。公式の商品ページに掲載されているラインアップと、店頭で実際に購入できる商品が常に完全一致するとは限りません。

【よくある質問】アイスの実の昔に関するFAQ

Q1:昔のアイスの実はいつ発売された?

1986年です。当初は「キャンデーボール」という名前で販売され、1989年に「アイスの実」へ名称変更されました。

Q2:昔のアイスの実には何種類の味が入っていた?

初代は1箱に4種類の味が入っていました。赤箱はミルク、チョコレート、アップル、乳酸パイン。青箱はミルク、チョコレート、オレンジ、ブルーベリーでした。

Q3:アイスの実が箱型から袋型になったのはいつ?

2009年です。箱型からパウチ容器に変更され、翌2010年にはプチオープンとワイドオープンの2WAY方式が採用されました。

Q4:昔のアイスの実はなぜ1袋1味になった?

好きな味だけを思い切り楽しみたいという消費者の要望に対応するためです。2013年に変更され、2018年までの5年間でブランド売上は3.1倍に伸びました。

Q5:昔の複数味入りアイスの実は復活した?

はい。2024年に「ぶどうマスカット」が登場し、1袋2味の商品が新定番になりました。昔の選ぶ楽しさを現代の商品に取り入れた形です。

Q6:2026年はアイスの実の何周年?

1986年発売のため、2026年は40周年です。2026年10月には「アサイーミックス」のリニューアルも行われました。

Q7:昔のアイスの実と現在の商品では味や食感も違う?

違います。2001年にフルーツ系へ統一され、2014年には濃厚なジェラート路線へ変更されました。現在は二層構造による、とろける食感と素材の濃い味わいが特徴です。

まとめ:【プロの結論】アイスの実は40年間、時代に合わせて進化してきた

昔のアイスの実と現在の商品を比較すると、最も大きな変化はパッケージ、味の構成、食感の3つです。

1986年の「キャンデーボール」は、赤箱と青箱にそれぞれ4種類の味を詰め込んだ、選ぶ楽しさが魅力の商品でした。1989年の名称変更を経て、2001年にはフルーツ系へ方向転換。2009年にはパウチ化され、2013年には1袋1味という新しいスタイルが定着しました。

そして2024年、かつての複数味入りの魅力を現代に取り入れた1袋2味が新定番になりました。

ここから見えてくるのは、アイスの実が昔のスタイルをそのまま守ってきた商品ではないということです。消費者が求める楽しさや利便性に合わせて、商品設計を柔軟に変えてきたブランドなのです。

一方で、丸いひと口サイズや二層構造という基本的な個性は、長い年月を経ても大切にされています。

2026年は発売40周年。初代キャンデーボールを知る世代にとっても、現在の商品からアイスの実を知った世代にとっても、同じ小さな丸いアイスに異なる思い出があります。昔の箱型パッケージや4種類入りの懐かしさを振り返りながら、現在の濃厚なジェラートと食べ比べてみると、40年間の進化をより深く感じられるはずです。

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コンテンツディレクター 長谷 莉子
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