全国各地に店舗を展開し、海外でも人気を集める天然とんこつラーメン専門店「一蘭」。その発祥の地は、福岡県福岡市です。なかでも、現在の一蘭ブランドの1号店として知られるのが、福岡市南区にある「一蘭 那の川店」です。
一蘭の歴史を調べると、1960年の創業、1993年5月25日の株式会社一蘭設立、同年9月の那の川店開店、1999年10月の中洲川端駅上店開店という、複数の節目が登場します。加えて、現在の一蘭本社総本店は、かつて中洲川端駅上店と呼ばれていた店舗です。
つまり、一蘭の発祥の店と現在の本社総本店は、同じ場所ではありません。創業年と会社設立年も、それぞれ異なる意味を持っています。2026年現在の公式沿革や会社概要、店舗情報をもとに、その歴史と関係性を整理します。
【結論】一蘭発祥の地は福岡市南区の那の川店

一蘭の発祥の店は、福岡県福岡市南区那の川にある「一蘭 那の川店」です。
一蘭公式サイトの歴史・沿革には、1993年9月に福岡市南区で那の川店を開店したことが記録されています。また、公式の「五つの元祖」では、吉冨学氏が一蘭の1号店として那の川店をオープンした経緯が紹介されています。
店舗の所在地は、福岡県福岡市南区那の川2-2-10。日赤通り沿いに位置し、西鉄天神大牟田線の平尾駅から徒歩約7分の場所にあります。
一蘭 那の川店の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店舗名 | 一蘭 那の川店 |
| 所在地 | 福岡県福岡市南区那の川2-2-10 |
| 開店 | 1993年9月 |
| 位置づけ | 一蘭の1号店・発祥の店 |
| 最寄り駅 | 西鉄平尾駅 |
| 駅からの距離 | 徒歩約7分 |
| 営業時間 | 24時間(変更の場合あり) |
| 席数 | 味集中カウンター15席 |
| 駐車場 | 10台 |
現在も営業している那の川店は、一蘭の歴史を知るうえで特別な意味を持つ店舗です。単なる古い店舗ではなく、現在の一蘭につながる店舗運営やサービスの原点となった場所でもあります。
1960年の創業地と1993年の発祥の店は同じ意味ではない
ここで押さえておきたいのが、1960年の創業と1993年の那の川店開店の違いです。
一蘭の公式会社概要では、創業年を1960年としています。一方、公式沿革では、那の川店の開店を1993年9月と記録しています。
つまり、1960年は一蘭の事業の歴史が始まった年であり、1993年の那の川店は、現在の一蘭ブランドの1号店として位置づけられる店舗です。
公式沿革では1960年の創業について具体的な旧店舗の住所までは記載されていません。そのため、1960年当時の創業場所と、1993年に開店した現在の一蘭の発祥店を混同しないことが大切です。
【創業年と設立年の違い】一蘭は1960年創業・1993年設立
一蘭の歴史を調べると、「1960年創業」と「1993年設立」という2つの年が出てきます。一見すると矛盾しているように感じますが、これは企業の歴史を示すうえで異なる意味を持つ数字です。
一蘭の創業は1960年
株式会社一蘭の公式会社概要によると、一蘭の創業は1960年(昭和35年)です。
創業とは、事業を始めた時期を示す言葉です。法人として会社が設立されるより前から事業の歴史が存在する企業では、創業年と設立年が異なることがあります。
一蘭もそのケースに当たります。公式サイトでは1960年を創業年として掲げ、ブランドの原点を福岡のとんこつラーメン文化と結びつけています。
株式会社一蘭の設立は1993年5月25日
一方、株式会社一蘭の設立日は1993年(平成5年)5月25日です。
これは会社概要に明記されている法人設立日です。同じ1993年の9月には福岡市南区に那の川店が開店しています。
したがって、会社設立が先で、その後に1号店が開店したという順序になります。
創業年と設立年を比較
| 項目 | 年月日 | 意味 |
|---|---|---|
| 創業 | 1960年 | 一蘭の事業の歴史が始まった年 |
| 法人設立 | 1993年5月25日 | 株式会社一蘭が設立された日 |
| 那の川店開店 | 1993年9月 | 現在の一蘭ブランドの1号店が開店 |
| 中洲川端駅上店開店 | 1999年10月 | 現在の本社総本店につながる店舗が開店 |
| 本社総本店へ名称変更 | 2012年4月29日 | 中洲川端駅上店が改装され、現在の名称に変更 |
このように、1960年と1993年はどちらも正しい数字です。「一蘭は1993年創業」とする説明は、会社設立や那の川店の開店と創業を混同している可能性があります。
【一蘭の歴史・沿革】1960年から2026年までの主な出来事
一蘭は福岡で生まれ、福岡県内で店舗を増やしながら、東京、大阪、そして海外へと展開してきました。
公式の歴史・沿革を見ると、那の川店の開店後、1990年代後半には福岡県内の主要地域へ出店を進めています。1999年には現在の本社総本店につながる店舗も開店しました。
一蘭の歴史を年代順に整理
主な転換点を
| 年月 | 出来事 | 歴史的な意味 |
|---|---|---|
| 1960年 | 一蘭創業 | 事業の原点 |
| 1993年5月 | 株式会社一蘭設立 | 法人としてのスタート |
| 1993年9月 | 那の川店開店 | 現在の一蘭ブランドの1号店 |
| 1994年4月 | 小戸店開店 | 福岡市内で店舗展開 |
| 1995年8月 | 天神店開店 | 福岡市中心部へ進出 |
| 1996年4月 | キャナルシティ博多店開店 | 商業施設への出店 |
| 1997年12月 | 博多店開店 | 店舗展開と味集中カウンターの進化 |
| 1999年10月 | 中洲川端駅上店開店 | 現在の本社総本店の前身 |
| 2001年10月 | 六本木店開店 | 東京進出 |
| 2007年9月 | 道頓堀店本館開店 | 大阪進出 |
| 2012年4月 | 一蘭本社総本店として改装オープン | 中洲の発信拠点へ |
| 2013年 | 香港に海外店舗を開店 | 海外展開を開始 |
| 2016年 | ニューヨーク・ブルックリン店開店 | 米国市場へ進出 |
| 2017年 | 台湾台北本店開店 | 台湾へ展開 |
| 2024年2月 | 本社総本店を全面リニューアル | 店内設備と客席を刷新 |
| 2025年 | 池袋駅前店などを開店 | 国内店舗網を拡大 |
| 2026年6月 | 仙台長町インター店開店 | 東北エリアで店舗展開 |
特に注目したいのは、1993年から1999年までの約6年間です。
那の川店を起点として、天神や博多など福岡市内の商業エリアへ出店を進め、1999年には中洲にも店舗を構えました。現在の一蘭を象徴する本社総本店につながる拠点が、この時期に誕生しています。
その後、2001年の六本木店開店を皮切りに東京へ進出し、2007年には大阪にも店舗を構えました。福岡の地域ブランドから全国的なラーメンチェーンへと成長していく過程が、公式沿革から読み取れます。
【味の原点】天然とんこつラーメンと味集中カウンターはどう誕生した?
一蘭の発祥を語るうえで欠かせないのが、看板商品の天然とんこつラーメンと、独自の「味集中カウンター」です。
一蘭は単にとんこつラーメンを提供するだけでなく、味の設計と食事をする環境の両方をブランドの特徴として発展させてきました。
天然とんこつラーメンは創業以来の看板商品
一蘭公式サイトでは、看板商品を「天然とんこつラーメン(創業以来)」と紹介しています。
一蘭が説明する「天然とんこつ」とは、豚の骨から抽出したスープだけを使用し、インスタントの豚骨エキスなどを使わない純粋なとんこつスープを意味します。
また、一蘭の特徴として知られる赤い秘伝のたれも、創業当時からのこだわりとして紹介されています。唐辛子をベースに数十種類の材料を調合し、何昼夜も寝かせて熟成させることで、辛さだけではない旨味を生み出す仕組みです。
公式の「五つの元祖」では、この赤い秘伝のたれを一蘭が生み出した独自の特徴として位置づけています。
天然とんこつラーメンの現在の品質を支えるのは、スープだけではありません。麺とスープの相性、秘伝のたれ、温度や濃度の管理など、複数の要素を組み合わせて一杯の完成度を追求しています。
味集中カウンターの原型は1993年の那の川店
一蘭をほかのラーメン店と区別する大きな特徴が、隣の席との間に仕切りを設けた味集中カウンターです。
この仕組みの原点は、1993年に開店した那の川店にあります。
一蘭公式サイトの誕生秘話によると、代表の吉冨学氏は、ラーメン店に一人で入りにくいと感じる女性がいることを街頭アンケートなどから把握していました。また、食べる人が作り手の雰囲気や周囲の視線に左右されず、目の前の一杯に集中できる環境を考案しました。
そこで那の川店では、客席と厨房の間に暖簾を設置。これが現在の味集中カウンターの原型になりました。
その後、1997年に開店した博多店で、隣席との間に仕切り板を設置。現在のように一人ずつ区切られたスタイルへと徐々に進化していきました。
つまり、味集中カウンターは最初から現在と同じ形だったわけではありません。1993年の暖簾による区切りが出発点となり、1997年以降の改良を経て現在のスタイルが完成していったのです。
一蘭の独自性は味と食事環境の組み合わせ
一蘭の特徴は、天然とんこつスープや赤い秘伝のたれだけではありません。
味集中カウンター、オーダー用紙、替玉注文システムなど、食事の流れそのものにも工夫があります。
オーダー用紙では麺の硬さ、こってり度、にんにく、ねぎ、秘伝のたれなどを自分の好みに合わせて選べます。替玉も専用のプレートを使って注文できるため、大きな声を出す必要がありません。
これらの仕組みは、ラーメンの味だけでなく、食べる人がどのように店を利用するかまで考えたサービス設計です。一蘭が国内外で独自のブランドイメージを確立した背景には、こうした細かな工夫があります。
【初代店舗と現在の本店】那の川店と一蘭本社総本店の違い
一蘭を訪れる人が混同しやすいのが、那の川店と一蘭本社総本店の違いです。
どちらも福岡にある歴史的な店舗ですが、役割は異なります。
那の川店は一蘭の1号店
那の川店は1993年9月に開店した一蘭の1号店です。
現在も福岡市南区那の川2-2-10で営業しており、公式店舗案内にも掲載されています。つまり、発祥の店としての場所は現在も訪れることができます。
ただし、現在の建物が1993年当時の状態のまま保存されているわけではありません。2008年にはリニューアルオープンが行われています。
その際も一蘭の1号店として紹介され、店舗設備や店内環境が刷新されました。現在の那の川店は、創業後の店舗展開の出発点を受け継ぐ営業店舗です。
一蘭本社総本店は中洲川端駅上店が前身
一方、現在の一蘭本社総本店は、福岡市博多区中洲5-3-2にあります。
公式沿革によると、この場所では1999年10月に中洲川端駅上店が開店しました。後に店舗の名称と役割が変わり、2012年4月29日に「一蘭本社総本店」としてリニューアルオープンしています。
2012年の公式ニュースリリースでは、店舗だけでなくビル全体を一蘭の情報発信拠点として位置づけ、物販商品や企業活動なども発信する施設へと改装したことが説明されています。
このため、「1999年に一蘭本社総本店が現在の名称で開店した」と単純に理解するのは正確ではありません。1999年に前身となる中洲川端駅上店が開店し、2012年に本社総本店という名称へ変更された、という経緯です。
どちらに行くべき?目的によって選ぶ
一蘭の歴史をたどりたい人と、福岡観光で一蘭の象徴的な店舗を楽しみたい人では、訪問先の選び方が変わります。
那の川店は、1号店という歴史的な意味を重視する人におすすめです。一蘭の原点となった場所でラーメンを味わいたい人に向いています。
一方、本社総本店は中洲エリアにあり、博多観光の途中に立ち寄りやすい店舗です。現在の一蘭のブランドを象徴する建物や店舗設備を楽しみたい人に向いています。
2026年現在の公式店舗案内によると、両店舗とも24時間営業です。ただし、営業時間や席数は変更される場合があるため、訪問前に最新情報を確認してください。
【一蘭2026年最新情報】店舗数・業績・本社総本店の現在
2026年現在、一蘭は福岡発祥のラーメンブランドとして国内外に店舗網を広げています。
株式会社一蘭の公式会社概要に掲載されている最新の数値では、2026年6月時点の店舗数は93店舗です。
2026年の一蘭の企業データ
| 項目 | 最新の公式掲載情報 |
|---|---|
| 創業 | 1960年 |
| 法人設立 | 1993年5月25日 |
| 代表取締役社長 | 吉冨学 |
| 本社所在地 | 福岡市博多区中洲5-3-2 |
| 店舗数 | 93店舗 |
| 国内店舗 | 85店舗 |
| 海外店舗 | 8店舗 |
| 店舗数の基準日 | 2026年6月 |
| 2025年度年商 | 477.1億円 |
| 従業員数 | 社員802名(2026年2月時点) |
国内85店舗、海外8店舗という構成からも、一蘭が福岡の地域ブランドから国際的なラーメンチェーンへと成長したことが分かります。
また、2025年度の年商は477.1億円と公式会社概要に掲載されています。創業から長い年月を経た現在も、天然とんこつラーメンを中心とした事業を展開しています。
2024年には本社総本店を全面リニューアル
現在の本社総本店については、2024年2月9日に大規模なリニューアルが実施されています。
一蘭の公式発表によると、従来は1階に設置されていたテーブル席も味集中カウンターへ変更されました。加えて、最新式の空席案内板、スーツケースの預かりスペース、キャッシュレス対応の券売機などが導入されています。
仕切り壁も従来より高くし、よりラーメンに集中できる空間へと改良されました。
2026年現在の公式店舗案内では、本社総本店は1階14席、2階26席の合計40席。24時間営業で、福岡市博多区中洲のランドマーク的な店舗として営業しています。
本社総本店は単に会社の本社がある店舗というだけではありません。一蘭のブランドイメージを発信し、国内外から訪れる人に独自の食事体験を提供する拠点でもあります。
【一蘭発祥に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:一蘭発祥の地は福岡のどこですか?
A1:現在の一蘭ブランドの発祥の店は、福岡県福岡市南区那の川2-2-10にある一蘭 那の川店です。1993年9月に開店した1号店で、2026年現在も営業しています。
Q2:一蘭は1960年創業なのに、なぜ1993年設立なのですか?
A2:1960年は事業の創業年、1993年5月25日は株式会社一蘭の法人設立日だからです。事業の歴史と会社の法人としての設立は別の出来事であり、両方とも公式に確認できる正しい年です。
Q3:一蘭の1号店は現在も営業していますか?
A3:はい。福岡市南区の那の川店は現在も営業しています。ただし、2008年にリニューアルされており、1993年当時の店舗がそのまま残っているわけではありません。
Q4:一蘭本社総本店はいつできたのですか?
A4:前身の中洲川端駅上店は1999年10月に開店しました。その後、2012年4月29日に改装され、一蘭本社総本店という現在の名称でリニューアルオープンしています。
Q5:味集中カウンターはいつ誕生しましたか?
A5:原型は1993年の那の川店で生まれました。当初は客席と厨房を区切る暖簾が設置され、1997年の博多店では隣席との間に仕切り板が導入されました。その後、改良を重ねて現在のスタイルになっています。
Q6:一蘭は2026年現在、何店舗ありますか?
A6:公式会社概要によると、2026年6月時点で国内85店舗、海外8店舗の合計93店舗です。
まとめ:一蘭発祥の真相は「1960年の創業」と「1993年の那の川店」にある
一蘭の発祥について整理すると、最も重要なのは1960年の創業と1993年の那の川店開店を区別することです。
1960年は一蘭の事業の歴史が始まった年であり、1993年5月25日は株式会社一蘭の設立日。同年9月に福岡市南区で開店した那の川店が、現在の一蘭ブランドの1号店です。
そして、現在の一蘭本社総本店は、1999年に開店した中洲川端駅上店が前身で、2012年に現在の名称へ変更されました。
味集中カウンターも、最初から現在の完成形だったわけではありません。1993年の那の川店で原型が誕生し、1997年の博多店などを通じて進化してきました。
2026年現在、93店舗を展開する一蘭。その歴史を実際に感じたいなら、まず訪れたいのは福岡市南区の那の川店です。一方、現在の一蘭を象徴する店舗を体験するなら、博多・中洲の一蘭本社総本店も外せません。
創業の歴史を知ることで、いつもの一杯の天然とんこつラーメンも、また違った視点で楽しめるはずです。