大阪府枚方市の遊園地「ひらかたパーク」と俳優・岡田准一さんの関係は、単なる広告出演にとどまらない。枚方市出身の岡田さんは、2013年4月に「超ひらパー兄さん」に就任し、翌2014年4月には園長へと昇格。ユニークなCMやポスターを通じて、関西を代表する遊園地の知名度向上に貢献してきた。
そして2026年10月30日、運営を担う京阪電気鉄道株式会社から新CM「鉄の鍵盤」篇の放映開始が発表された。10月31日からのイルミネーション開催に合わせ、岡田園長の像も新バージョンにアップグレードされる。春の「見切れるマン」、夏の「枚方鮫」に続く2026年の新展開だ。岡田さんが園長になった理由、初代ひらパー兄さんの小杉竜一さんとの関係、AI搭載園長像の仕組みまで、公式発表と関係者の証言をもとに整理する。
【地元愛が原点】岡田准一とひらかたパークの関係とは?

岡田准一さんとひらかたパークのつながりを理解するうえで欠かせないのが、岡田さんの出身地である大阪府枚方市だ。
ひらかたパークは、枚方市枚方公園町に位置する遊園地。岡田さんにとっては、仕事で関わるようになる以前から縁のある場所だった。
ひらかたパークの公式「超ひらパー兄さん園長資料室」でも、岡田さんを大阪・枚方市出身の人物として紹介し、2013年から園の顔を務めていることを説明している。
2014年の週刊誌による広報担当者への取材では、岡田さんが子どもの頃、自転車でひらかたパークに遊びに来ていたことも紹介された。
つまり、岡田さんとひらパーの関係は、芸能人を起用した一般的な広告契約とは少し違う。地元で親しまれてきた遊園地と、地元出身の俳優が結びついた地域密着型のプロモーションなのである。
岡田准一が地元・枚方を盛り上げる存在に
岡田さんがひらパーのイメージキャラクターを引き受けた背景には、本人の地元への思いがあった。
京阪ホールディングスの採用サイトに掲載された企画誕生秘話によると、2012年当時、運営会社の担当者が雑誌のインタビューで岡田さんの発言を目にしたことが、起用を考えるきっかけになった。
担当者が注目したのは、岡田さんが地元の枚方で「ひらパー兄さん」が話題になっていることを喜び、自分もやってみたいという趣旨の発言をしていたことだった。
そこで担当者は広告代理店に相談し、岡田さん本人に手紙を送った。
その手紙には、100年にわたり枚方で遊園地を運営してきたこと、そして枚方から大阪、大阪から日本を元気にしたいという思いが込められていたという。
当初は実現が難しいと考えられていたオファーだったが、岡田さん側から出演を希望する返事が届き、企画が動き始めた。
この経緯からも分かるように、岡田さんの起用は広告代理店が有名俳優を提案しただけの企画ではない。遊園地側の地域への思いと、岡田さん自身の地元への愛着が重なって生まれたものだった。
【誕生の経緯】超ひらパー兄さんはなぜ岡田准一になった?小杉竜一との関係
岡田さんが就任する前、ひらパーにはすでに「ひらパー兄さん」という人気キャラクターが存在していた。
初代を務めたのは、お笑いコンビ・ブラックマヨネーズの小杉竜一さんだ。
初代ひらパー兄さんは小杉竜一
小杉さんは2009年度から2012年度まで、初代ひらパー兄さんとして活動した。
お笑い芸人ならではの親しみやすさと関西らしいユーモアを生かし、遊園地の広告キャラクターとして認知度を高めた。
ただし、広告で話題になることと、実際に来園者を増やすことは別の課題だった。
京阪ホールディングスの担当者による振り返りでも、小杉さんの起用は話題になったものの、年間入園者数の増加には十分つながっておらず、次のプロモーション施策を検討していたと説明されている。
そこで白羽の矢が立ったのが、枚方市出身の岡田准一さんだった。
岡田准一が「超」ひらパー兄さんに昇格した理由
2013年3月29日、ひらかたパークは岡田さんを新しいイメージキャラクターに起用すると発表した。
就任時の名称は、従来の「ひらパー兄さん」をさらに進化させた「超(スーパー)ひらパー兄さん」。
岡田さんは当時、俳優として映画やテレビドラマで幅広く活躍していた。翌年にはNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』の主演を控えており、知名度と演技力を兼ね備えた人物だった。
その岡田さんが、地元の遊園地のCMで関西弁を交えたコミカルなキャラクターを演じる。この意外性こそが、広告として大きな魅力になった。
加えて、岡田さん本人が積極的にキャラクターを演じ切ったことも、企画を成功に導く要素となった。京阪の担当者は、初めて岡田さんが園を訪れた際、熱意を持って超ひらパー兄さんを演じる姿を見て、本人の地元への思いを実感したと振り返っている。
2014年、園長への就任と100万人のミッション
2014年4月、岡田さんは超ひらパー兄さんに加えて「園長」という肩書を与えられた。
この就任には、明確な目標が設定されていた。
それが、年間来園者数100万人の達成だ。
2014年3月から2015年3月までの年間来園者数が100万人に届かなければ園長を解任するという、広告企画としても異例の条件が設けられた。
単なる名誉職のような肩書ではなく、遊園地の集客を背負うキャラクターとして岡田さんを前面に押し出したのである。
結果は約104万人。目標を達成し、岡田さんの園長続投が決まった。
この成功を受けて、ひらパーでは岡田園長を中心としたユニークな広告や園内企画が継続的に展開されるようになった。
【まとめ】岡田准一とひらかたパークの歴代年表・関係者一覧
ここまでの経緯を整理すると、ひらパー兄さんの交代は、単なる広告出演者の変更ではなかったことが分かる。
遊園地の集客課題に対するプロモーション改革であり、岡田さんの地元とのつながりを生かした取り組みだった。
主な出来事を時系列でまとめた。
出典:京阪電気鉄道・京阪ホールディングスの発表、ひらかたパーク公式資料、当時の報道をもとに編集。
この年表で注目したいのは、2015年の目標達成後も岡田さんの起用が終了しなかった点だ。
本来なら100万人という目標を達成した時点で、キャンペーンを一区切りにする選択肢もあった。しかし、ひらパーはその後も岡田園長を中心に広告企画を更新し続けている。
それだけ岡田さんの存在が、遊園地のブランドを形作る重要な要素になったということだ。
【2026年最新】岡田准一のひらパー新CM「鉄の鍵盤」と園長像の全貌
2026年10月30日、京阪電気鉄道株式会社が発表した新CMのタイトルは「鉄の鍵盤」篇。
2026年10月31日から関西地区で放映開始予定の15秒CMで、岡田園長がピアノ演奏のような手さばきでたこ焼きを焼くという内容だ。
今回の企画には、岡田さんが主演する映画『SUKIYAKI 上を向いて歩こう』とのコラボレーションという背景もある。映画は2026年12月25日公開予定と発表されている。
新CM「鉄の鍵盤」篇はどんな内容?
今回のCMは、映画のピアノ演奏シーンを遊園地の広告に取り込んだもの。
映画では岡田さんが作曲家を演じ、ピアノを弾く姿が描かれる。一方、ひらパーのCMで岡田園長が向き合うのは、本物のピアノではなく、たこ焼き用の鉄板だ。
鉄板を鍵盤に見立て、岡田園長がジャズピアニストのような滑らかな手つきでたこ焼きをひっくり返す。
紫色のイルミネーションに照らされた園内では、かつお節が音楽に合わせて踊るように描かれ、最後には岡田園長が「青のり、かけますか」とつぶやく。
映画の世界観と関西らしい食文化を組み合わせた、ひらパーならではのユーモアが特徴だ。
京阪電気鉄道の発表では、撮影時の岡田さんの手さばきについても紹介されている。ガス火の具合を確かめながら、大胆かつ繊細にたこ焼きをひっくり返していたという。
高さ約17mの新イルミネーションも登場
2026年度の秋冬シーズンで大きく変わるのが、イルミネーション「光の遊園地」だ。
メインオブジェは「フローラル フェアリー キャッスル」にリニューアルされる。
新しい城は、高さ約17mのメインキャッスルと8基のタワーで構成される。頭上を彩る光のラインや床面と連動するライティングによって、さまざまな角度からイルミネーションを楽しめる設計だ。
また、約500灯のランタンが夜空を彩る「光のランタン広場」では、音楽と光のショーも実施される。
開催期間は2026年10月31日から2027年4月4日までの特定日。イルミネーションの点灯時間は季節によって異なる。
2026年秋冬ポスターは岡田園長が逆光で見えない?
今回のポスタービジュアルにも、ひらパーらしい仕掛けが用意されている。
高さ約17mのフローラル フェアリー キャッスルを背景に岡田園長を撮影したところ、まぶしい光による逆光で表情が見えなくなったという設定だ。
しかも、ポスターは2026年11月12日から京阪電車沿線などで順次公開予定。
園長の表情については、公式の「超ひらパー兄さん園長資料室」で確認できるという案内もある。
単に美しいイルミネーションを宣伝するだけでなく、ポスター自体を一つの謎解きや話題に変えている点が面白い。
【AI搭載園長像の正体】見切れるマン園長像はどう動く?本当にAIなのか
2026年のひらパーを語るうえで、もう一つ注目したいのが正面入口に設置されている岡田園長像だ。
2025年に登場したAI搭載園長像は、通常の人物像とは異なり、音声による演出を取り入れたもの。さらに2026年は、春・夏・秋冬と季節ごとに姿や演出が変更されている。
ただし、ここで気になるのが「AI」という名称の意味だ。
AI搭載園長像は生成AIなのか?
京阪電気鉄道が2025年7月に発表した資料では、AI搭載園長像について、岡田さんの肉声を活用し、「えい、あい」と相づちを打つ仕掛けが紹介されている。
また、同資料には3パターンの会話が可能と記載されている。
一方、2025年8月の関西テレビの取材では、実際にAI園長を取り上げ、肩に「A」と「I」の文字を搭載したユーモアのある仕掛けであり、人工知能による自由な会話を行うものではないと紹介された。
つまり、AIという言葉を見て、ChatGPTのような生成AIと同じものを想像するのは正確ではない。
公式資料で確認できるのは、岡田さんの肉声を使った3パターンの会話演出と、AIという文字を使ったユニークなデザインだ。
2026年春は「見切れるマン園長像」に進化
2026年3月25日には、春バージョンの「見切れるマン園長像」が登場した。
これは同時期に放映された新CM「この世にアトラクションがあるかぎり」篇と連動したものだ。
CMの岡田園長は、画面の端に少しだけ映り、主役であるアトラクションを邪魔しないというヒーロー役を演じる。
観覧車やジェットコースターを見せるために自分が見切れる。そんな控えめなヒーロー像をコミカルに描いている。
園長像もこの企画に合わせ、肩に「見」「切」の文字を配置。音声は春限定の岡田園長バージョンに変更され、CMの楽曲も流れる仕様となった。
夏は「枚方鮫」とワラ園長くん
7月24日からは夏CM「枚方鮫」篇が放映された。
舞台は夏季限定の屋外プール「ザ・ブーン」。水面に近づいてくる巨大な「鮫」の文字をめぐり、岡田園長が驚くというストーリーだ。
実際のサメがプールに登場するわけではなく、巨大な漢字の「鮫」を使った演出である。
加えて、夏ポスターには岡田園長の相棒「ワラ園長くん」が登場。プールエリアにも展示され、公式Xでは岡田園長に代わって園の魅力をPRする役割を担った。
このように、園長像は単なる記念撮影用のオブジェではない。CM、ポスター、園内演出、公式SNSを連動させる広告企画の一部として機能している。
10月31日からは「鉄」「板」の園長像へ
そして2026年10月31日には、秋冬バージョンの園長像が登場する。
肩にはCMのテーマに合わせて「鉄」「板」の文字が掲げられる。
加えて、フローラル フェアリー キャッスルに関する質問などに対して、園長ならではの回答を音声で楽しめるという。
春は「見切」、夏は「鮫」、秋冬は「鉄板」。季節ごとにCMのテーマを園内の実物へと展開する手法は、ひらパーの広告企画の特徴をよく表している。
【なぜ人気?】ひらかたパークが長年愛される理由と100万人達成の意味
岡田准一さんの広告効果だけで、ひらかたパークの人気を説明することはできない。
同園には、100年以上にわたって地域に根付いてきた歴史がある。
1912年開園の歴史ある遊園地
ひらかたパークは1912年(大正元年)に開園した。
京阪電気鉄道の資料によると、前身は1910年に開園した香里遊園地。現在の場所で営業を続けてきた歴史を持つ。
関西テレビの2025年の特集では、同園を連続営業期間が日本一の遊園地として紹介。2025年時点で113年の歴史があることを取り上げている。
来園者数は一度減少していた
ひらパーは長い歴史を持つ一方、来園者数の減少という課題にも直面していた。
関西テレビの2025年8月の報道によると、1974年度には年間来園者数が160万人を超えていたが、2011年度には87万人まで減少した。
この背景には、レジャーの多様化や大型テーマパークとの競争などがあった。
そこで展開されたのが、超ひらパー兄さんを中心とする広告改革だった。
2014年度の100万人達成ミッションは、その象徴的な取り組みである。
ひらパーの人気を支える5つのポイント
| 人気の要素 | 内容 |
|---|---|
| 歴史 | 1912年開園の長い歴史と地域との結びつき |
| アクセス | 京阪電車の枚方公園駅から徒歩圏内 |
| ファミリー向け | 子ども連れでも楽しみやすい施設構成 |
| 季節イベント | 夏のプール、冬のスケートやイルミネーション |
| 独自の広告 | 岡田園長を中心とするCMやユニークな企画 |
枚方市の公式観光・地域紹介ページでも、ひらかたパークは駅から近く、小さな子ども連れでも利用しやすい遊園地として紹介されている。
夏のプール、冬のスケート、イルミネーション、動物とのふれあい、ステージイベントなど、季節ごとに楽しみ方が変わる点も魅力だ。
同ページには年間100万人以上が訪れる遊園地との紹介もある。ただし、これは2026年度の実績値ではなく、同市の施設紹介に記載された年間来園者数の説明である。
こうした施設そのものの魅力があるからこそ、岡田園長の広告企画が来園につながる。
CMで興味を持ち、実際に遊びに行き、園内の企画を体験して写真を撮る。そして、その体験が家族や友人に共有される。
遊園地の楽しさと広告の面白さが循環しているのだ。
【プロの結論】岡田准一とひらパーの関係は広告を超えた地域ブランド戦略
岡田准一さんとひらかたパークの関係を長期的な視点で見ると、成功の理由は大きく3つに整理できる。
1. 地元出身という説得力
有名人を広告に起用すること自体は珍しくない。しかし、岡田さんの場合は枚方市出身という背景がある。
子どもの頃から縁のある遊園地を、自分が大人になってから全国に発信する。このストーリーには、通常の広告契約では生まれにくい説得力がある。
2. 俳優としてのイメージを逆手に取ったギャップ
岡田さんは映画やドラマでは本格的な演技やアクションを披露する俳優だ。
その一方で、ひらパーのCMでは、見切れるヒーローになったり、たこ焼きをジャズピアニストのように焼いたりする。
このギャップが広告の印象を強くしている。
しかも、本人が企画の世界観に合わせて演じ切るため、単に有名人を出演させただけの映像にならない。
3. 毎年新しい来園理由を作っている
京阪ホールディングスの担当者は、超ひらパー兄さんの企画について、話題になる、行ってみたいと思う、実際に行く理由がある、という流れを作ってきたと説明している。
これは広告を認知度向上だけで終わらせず、来園という行動につなげる考え方だ。
2026年も春の見切れるマン、夏の枚方鮫、秋冬の鉄の鍵盤と、季節ごとに異なる企画が用意されている。
岡田園長という共通のブランドを維持しながら、毎回新しい話題を作る。この継続性こそが、10年以上にわたって企画が愛されている理由の一つだ。
【岡田准一とひらかたパークの関係】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:岡田准一はなぜひらかたパークの園長になったの?
岡田さんが枚方市出身で、地元のひらかたパークに思い入れがあったことが起用の背景にある。2013年に超ひらパー兄さんとなり、2014年には年間来園者100万人達成を目指す園長に就任した。
Q2:歴代のひらパー兄さんは誰?
初代はブラックマヨネーズの小杉竜一さんで、2009年度から2012年度まで務めた。2013年からは岡田准一さんが2代目の超ひらパー兄さんとして活動している。
Q3:岡田准一は2026年もひらかたパークの園長なの?
はい。2026年10月30日発表の京阪電気鉄道の公式資料でも、岡田さんは超ひらパー兄さん・園長として紹介されている。春・夏・秋冬の新CMや園長像の企画にも引き続き登場している。
Q4:2026年の新CM「鉄の鍵盤」篇はいつから放映される?
2026年10月31日から関西地区で放映開始予定。岡田園長がピアノを弾くような手つきでたこ焼きを焼く15秒のCMで、映画『SUKIYAKI 上を向いて歩こう』とのコラボレーション企画でもある。
Q5:AI搭載園長像は本当に人工知能で会話できるの?
生成AIのように自由な会話をする仕組みではない。京阪の公式資料では、岡田さんの肉声を使った3パターンの会話演出が紹介されている。AIという名称にも、肩に「A」「I」の文字を搭載する遊び心が込められている。
まとめ:岡田准一とひらかたパークの関係は2026年も続く
岡田准一さんとひらかたパークの関係は、2013年の超ひらパー兄さん就任から始まり、2014年の園長就任、年間来園者数約104万人の達成を経て、2026年も続いている。
初代ひらパー兄さんの小杉竜一さんから受け継いだ広告キャラクターは、岡田さんの地元・枚方への思いと、遊園地側の集客改革によって独自のブランドへと成長した。
2026年10月31日からは、新CM「鉄の鍵盤」篇と、肩に「鉄」「板」を掲げた園長像が登場する。高さ約17mのフローラル フェアリー キャッスルを中心としたイルミネーションも始まり、秋冬のひらパーは新しい見どころを迎える。
注目したいのは、岡田さんが単にCMに出演し続けているのではなく、季節ごとの企画を通じて遊園地の魅力を発信する存在になっていることだ。
地元への愛着、俳優としての表現力、そして関西らしいユーモア。 この3つが重なった岡田園長とひらパークの関係は、2026年も遊園地の個性を象徴する取り組みとして続いている。