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【暴力団対策法とは】特定抗争指定と警戒区域の規制内容

穂積 美咲 穂積 美咲 • 更新: • 公開: • 読了約 11 分
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六代目山口組と神戸山口組の対立をめぐる規制の中心にあるのが、1992年3月に施行された「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」、通称・暴力団対策法だ。

この法律は、暴力団員による不当な要求や組織的な威力の利用を規制し、市民や事業者の安全を守ることを目的としている。特定抗争指定暴力団等の制度は、対立抗争によって人命や身体に重大な危害が生じるおそれがある場合に、通常の指定暴力団への規制に加えて、警戒区域内での活動を制限する仕組みだ。

特定抗争指定を受ける条件

暴力団対策法第15条の2では、指定暴力団等の間で対立抗争が発生し、凶器を使用した暴力行為によって人の生命や身体に重大な危害が及び、さらに同様の危害が発生するおそれがあると公安委員会が認めた場合、特定抗争指定を行えると定めている。

指定期間は原則として3カ月以内。期間満了時点で危険性が残っていると判断されれば、公安委員会は延長を決定できる。六代目山口組と神戸山口組に対する指定が27回も延長されてきたのは、警察側が対立抗争の危険性を継続的に認めてきたためだ。

警戒区域内で禁止される行為

特定抗争指定を受けた組織の構成員には、警戒区域内で次のような行為が禁止される。

  • 事務所の新設:指定された組織の新たな事務所を設置すること。
  • 事務所への立ち入りなど:指定対象となる事務所への立ち入りや使用、滞在など。
  • 対立組織への接近:敵対する組織の構成員へのつきまとい。
  • 周辺での徘徊:対立組織の構成員の自宅や管理する事務所付近をうろつくこと。
  • 多数での集合:抗争を誘発するおそれのある集団行動。報道では、おおむね5人以上の集合が具体的な規制対象として説明されている。

違反行為には刑事罰が設けられており、兵庫県警の説明では、対象となる禁止行為に違反した場合、3年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(併科あり)が適用される。

2026年11月現在の警戒区域

六代目山口組と神戸山口組に対する特定抗争指定では、9府県17市町が警戒区域となっている。兵庫県内の対象地域は次の5市町だ。

  • 神戸市
  • 姫路市
  • 尼崎市
  • 高砂市
  • 加古郡稲美町

2026年9月に池田組と絆会との指定が解除されたため、これらの組織との関係で適用されていた特定抗争指定の規制は終了した。しかし、神戸山口組との指定が残っている以上、六代目山口組に対する規制が全面的になくなったわけではない。

なお、特定抗争指定の解除は、通常の指定暴力団としての指定解除とは異なる。池田組や絆会が特定抗争指定から外れたことをもって、暴力団対策法上の指定そのものがなくなったと解釈するのは誤りだ。

【兵庫県警の判断と今後】なぜ神戸山口組との指定だけ続くのか

山口組最新情報

2026年の公安委員会の判断で最も注目すべきなのは、池田組・絆会との関係では沈静化を認めながら、神戸山口組との関係では危険性が残っていると判断したことだ。

抗争事件が起きていないことと、対立の終結は別問題

兵庫県警は2026年9月の指定延長について、両組織の動向などを総合的に判断し、対立抗争が終結したとは認められないとの説明を行った。

関西テレビなどの報道では、警察が把握している六代目山口組と神戸山口組の抗争事件は、直近10年間で102件。2025年1月の神戸市北区における神戸山口組組長宅への放火事件を最後に、新たな抗争事件は確認されていないと伝えられている。

それでも指定が継続されたのは、事件の発生が止まっているという事実だけでは、今後の危険性がなくなったと判断できないためだ。過去の事件の経緯、組織の動向、対立関係の継続性などを含めて評価する必要がある。

また、六代目山口組が2025年4月に提出した抗争終結の宣誓書も、相手方との関係が完全に解消されたことを直接証明するものではない。組織の一方が終結を表明したことと、双方の対立が終わったことは区別される。

兵庫県警が進める暴力団対策

兵庫県警の取り組みは、特定抗争指定の延長だけに限らない。暴力団対策課などを中心に、組織犯罪の実態解明、資金源の摘発、違法行為への行政命令、暴力団排除活動などを進めている。

具体的な対策には、次のようなものがある。

  • 対立抗争の警戒:組織間の動向を把握し、事件の再発を防ぐための警戒と取り締まり。
  • 資金源の遮断:恐喝、違法な資金獲得活動、薬物犯罪などへの捜査。
  • 行政命令の活用:暴力団対策法に基づく中止命令や再発防止命令などの発出。
  • 暴力団排除の推進:事業者や自治体と連携し、暴力団との取引や資金提供を防ぐ取り組み。
  • 離脱支援:暴力団から離脱した人の社会復帰を促す取り組み。

警察庁の2026年4月公表資料でも、暴力団の弱体化と壊滅に向けた取り組みを続ける方針が示されている。特定抗争指定の解除後も、通常の捜査や暴力団排除活動がなくなるわけではない。

組織の弱体化と市民生活への影響をどう評価するか

全国の暴力団構成員等が過去最少を更新していることは、暴力団排除政策の成果を示す重要な指標だ。一方で、組織の規模が縮小しても、資金獲得活動や周辺グループとの関係が残る可能性がある。

警察庁は、匿名・流動型犯罪グループとのつながりや、暴力団の活動の不透明化にも注意を促している。従来のような組織名や肩書だけでは、組織犯罪の実態を把握しきれないケースも想定される。

したがって、2026年の山口組情勢を評価する際には、構成員数の減少、特定抗争指定の解除、事件発生状況、資金源への対策を分けて考える必要がある。

【山口組最新情報2026】ネット上で誤解されやすい5つのポイント

山口組に関するニュースは、特定抗争指定の解除や延長という行政上の判断が大きく取り上げられるため、制度の意味を取り違えやすい。特に注意したいのが次の点だ。

1.池田組との指定解除は全面的な和解を意味しない

解除されたのは、六代目山口組と池田組との間に適用されていた特定抗争指定だ。両組織が正式に和解した、あるいは組織間のあらゆる問題が解決したという発表ではない。

2.絆会との指定解除も同様に限定的な判断

絆会との指定解除は、抗争事件が長期間発生していないことや、関係者への聞き取りなどを踏まえたものだ。警察は解除後も両組織の動向を確認し、必要な取り締まりを続けるとしている。

3.神戸山口組との対立は終わっていない

池田組・絆会との指定が解除されたことから、山口組分裂問題全体が終わったと考えるのは誤りだ。神戸山口組との指定は2027年1月6日まで継続している。

4.構成員数は2026年11月の実数ではない

約3,100人という数字は、警察庁が公表した2025年末時点の六代目山口組の構成員数だ。2026年11月現在の実際の在籍人数を示すものではない。また、構成員と準構成員等は別の統計区分である。

5.特定抗争指定が解除されても通常の規制は残る

特定抗争指定と、指定暴力団そのものの指定は別制度だ。特定抗争指定が解除されても、暴力団対策法による一般的な規制や暴力団排除条例などが自動的に適用されなくなるわけではない。

ニュースを読む際は、解除された制度の名称、対象となる組織の組み合わせ、解除日、通常の指定暴力団としての位置づけを確認することが重要だ。

【山口組最新情報2026】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2026年現在、六代目山口組は特定抗争指定されていますか?
A1:はい。2026年11月現在、神戸山口組との関係で特定抗争指定が継続しています。2026年10月7日から2027年1月6日までの3カ月間が指定期間です。池田組と絆会との指定は、それぞれ9月8日、9月21日に解除されました。

Q2:池田組と絆会は山口組と和解したのですか?
A2:指定解除は、両組織との抗争が一定期間発生していないことや、関係者への聞き取りなどを踏まえた公安委員会の判断です。全面的な和解や組織間のすべての問題の解決を意味するものではありません。

Q3:神戸山口組との特定抗争指定はいつまで続きますか?
A3:現在の指定期限は2027年1月6日です。その後については、抗争の発生状況や両組織の動向などを踏まえ、公安委員会が改めて判断します。

Q4:六代目山口組の構成員数は何人ですか?
A4:警察庁が2026年4月に公表した2025年末の統計では、構成員は約3,100人、準構成員等は約3,200人です。合計した勢力は約6,300人となっています。

Q5:特定抗争指定が解除されると警戒区域の規制はなくなりますか?
A5:解除された組織間の特定抗争指定に基づく規制は終了します。ただし、別の組織との指定が継続していれば、その関係での規制は残ります。また、通常の指定暴力団に対する法律上の規制も引き続き適用されます。

まとめ:山口組の今後は2027年1月の公安委員会判断が焦点

2026年11月現在の山口組情勢は、分裂後の対立が一律に解消されたわけではなく、組織ごとに沈静化の度合いが異なる段階にある。

2026年9月には、池田組との特定抗争指定が初めて解除され、続いて絆会との指定も解除された。これは、長期間にわたり抗争事件が発生していないことや、関係者への聞き取りなどを踏まえた公安委員会の判断だった。

しかし、神戸山口組との指定は2027年1月6日まで延長された。兵庫県警は対立抗争の終結を認めておらず、引き続き人命や身体に重大な危害が生じる可能性を警戒している。

【プロの結論】2026年の山口組情勢を理解するうえで重要なのは、組織の規模、抗争の発生状況、法律上の指定という3つの指標を分けて見ることだ。構成員数が減少しても組織犯罪の危険性が消えるわけではなく、特定抗争指定が解除されても全面的な和解を意味しない。

今後の最大の注目点は、2027年1月6日の指定期限を前に、兵庫県公安委員会などが神戸山口組との対立をどのように評価するかだ。指定の再延長か解除かは、抗争事件の有無だけでなく、組織の動向や今後の危険性を含む総合的な判断に委ねられる。

山口組の最新情報を追う際には、警察庁の年次統計、兵庫県公安委員会の決定、兵庫県警の公表資料、信頼できる報道機関の続報を照らし合わせることが、実態を正確に理解するための判断基準となる。

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穂積 美咲

映画・ドラマ担当として5年以上の取材経験。cinema領域の公式発表・配信元の告知を一次情報として確認し、確認できない情報は記事に含めない方針です。

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