- 新芽は重曹なしでもOK: 塩をひとつまみ加えた湯で短時間茹でれば、春らしい香りを残しやすい。 育った葉には重曹がおすすめ: 水1Lに対して小さじ1/3〜1/2程度から調整し、硬い繊維や強いあくに対応する。 茹で時間は1〜2分が基本: 茹でたらすぐ冷水に移し、水を交換しながら苦味と香りのバランスを整える。 冷凍保存も可能: 下処理したよもぎをペースト状にして小分け冷凍すれば、草餅やよもぎ団子に使いやすい。
【まず結論】よもぎのあく抜きは新芽なら塩、育った葉なら重曹が使いやすい

よもぎのあく抜きで重視したいのは、葉の成長段階です。摘みたての柔らかい新芽と、葉が大きく育ったよもぎでは、繊維の硬さや苦味の感じ方が異なります。
どちらにも同じ量の重曹を使う必要はありません。
新芽は重曹なしでもあく抜きできる
春先の新芽は葉が柔らかく、成長した葉と比べてあくが少ないため、重曹を使わずに下処理できます。
日本テレビの「キユーピー3分クッキング」で紹介された草もちのレシピでも、採れたてのよもぎは重曹を使わず、塩で茹でればよいと説明されています。
新芽の香りを生かしたい場合は、塩をひとつまみ加えた熱湯で約1分茹で、冷水に取る方法が向いています。水にさらす時間も長くしすぎないことがポイントです。
育ったよもぎは重曹で繊維を柔らかくする
葉が大きくなったよもぎは、茎や葉脈が硬くなり、口に残る筋っぽさも出やすくなります。
この場合は、重曹を使ったあく抜きが便利です。
重曹はアルカリ性の性質によって植物の繊維を柔らかくし、緑色を鮮やかに仕上げる働きがあります。草餅やよもぎ団子のように、葉を細かく刻んだりペーストにしたりする料理では、口当たりを整えやすくなります。
ただし、重曹を増やせば増やすほどおいしくなるわけではありません。長時間茹でたり、水にさらしすぎたりすると、よもぎ本来の香りが弱くなります。
どちらの方法を選ぶべき?
- 春の柔らかい新芽を使う:塩だけで短時間茹でる。
- 葉が少し成長している:少量の重曹を使う。
- 硬い茎や大きな葉が多い:硬い部分を除いてから重曹で下処理する。
- よもぎの香りを最優先する:重曹を控えめにして、茹で時間と水さらしを短くする。
大切なのは、よもぎの状態に合わせて処理を変えることです。
【下処理の第一歩】よもぎの正しい洗い方と新芽・育った葉の見分け方
あく抜きを始める前に、まずは食べられる部分を選び分けます。
よもぎは野草なので、摘んだ直後でも土や枯れ葉、小さな虫などが付着していることがあります。洗浄を丁寧に行うことで、仕上がりの食感もよくなります。
1. 枯れ葉や硬い茎を取り除く
最初に、よもぎを広げて状態を確認します。
- 黄色く変色した葉
- 枯れた葉や傷んだ部分
- 硬くなった茎
- 土やほかの植物の葉
- 食用部分に混じった異物
これらを取り除きます。
三越伊勢丹の食メディア「FOODIE」で2025年4月に公開された料理研究家監修の下処理方法でも、硬くなった葉や茎を取り除き、柔らかい新芽を選別する工程が紹介されています。
2. 葉を茎から外して選別する
草餅やペーストに使う場合は、柔らかい葉を中心に使うと仕上がりがなめらかになります。
先端の若い部分は茎ごと使える場合がありますが、太くなった茎は筋が残りやすいため、葉と分けるのがおすすめです。
特に、成長したよもぎは見た目の量が多くても、硬い茎を取り除くと実際に使える部分が少なくなることがあります。
3. ボウルに水を張って丁寧に洗う
大きめのボウルに水を入れ、よもぎを浸して優しく振り洗いします。
洗い方の要点は次のとおりです。
1. たっぷりの水に葉を入れる。
2. 葉を優しく揺らして土や汚れを落とす。
3. 水を捨て、きれいな水に交換する。
4. 葉の裏側や茎の付け根も確認する。
5. 最後にザルに上げて水気を切る。
強く揉むと葉が傷み、香りや色にも影響するため、優しく扱います。
4. 洗浄後は早めに茹でる
洗ったよもぎは、長時間室温に放置せず、なるべく早く下処理しましょう。
すぐに調理できない場合は、清潔な容器に入れて冷蔵庫で保管し、できるだけ早く使います。
【徹底比較】重曹と塩の違い・分量・向いているよもぎ
よもぎのあく抜きでは、重曹と塩のどちらを使うべきか迷う人が少なくありません。
両者は同じ目的で使われることがありますが、仕上がりには違いがあります。
重曹と塩の比較一覧
| 比較項目 | 重曹 | 塩 |
|---|---|---|
| 主な用途 | あく抜き・繊維を柔らかくする | 軽い下茹で |
| 向いている葉 | 成長した葉 | 柔らかい新芽 |
| 食感 | 柔らかく仕上がりやすい | 葉の食感を残しやすい |
| 色 | 鮮やかな緑に仕上がりやすい | 短時間の茹で上げに適する |
| 香り | 使いすぎると弱くなりやすい | 重曹を使わず香りを残しやすい |
| 分量の目安 | 水1Lに小さじ1/3〜1/2から調整 | 水1Lにひとつまみ程度 |
| 注意点 | 入れすぎ・茹ですぎに注意 | 強いあくや硬い繊維には不向き |
よもぎの重曹の分量は水1Lに小さじ1/3〜1/2が目安
家庭で香りを残しながら下処理するなら、まずは水1Lに対して重曹小さじ1/3〜1/2程度から試す方法がおすすめです。
ただし、レシピによって分量には幅があります。
例えば、共立食品のレシピでは水1Lに重曹小さじ1を使用しています。三越伊勢丹FOODIEでも、水1Lに小さじ1という分量が紹介されています。
ここで重要なのは、重曹の量だけで仕上がりが決まるわけではないことです。
新芽なら少量、育った葉なら状態を見ながら調整します。初めて調理する場合は、控えめな量から始めると失敗しにくくなります。
重曹なしであく抜きするなら塩を使う
重曹を使わない方法でも、よもぎの下処理はできます。
特に新芽の場合は、塩をひとつまみ入れた熱湯で短時間茹でる方法が適しています。
重曹特有のアルカリ性による柔らかさを得る方法とは異なりますが、よもぎの自然な香りや葉の食感を生かしやすいのが利点です。
重曹が手元にないからといって、必ずしも購入する必要はありません。
ただし、育った葉の強い苦味や硬い繊維を、塩だけで十分に取り除けるとは限らない点には注意してください。
【失敗しない茹で方】茹で時間1〜2分と水にさらす時間の目安
ここからは、家庭で実践できる基本のあく抜き手順を紹介します。
用意する材料
- 生よもぎ:100g程度
- 水:1〜2L
- 重曹:小さじ1/3〜1/2程度、必要に応じて調整
- 塩:ひとつまみ
- 冷水:ボウルにたっぷり
新芽だけを使う場合は、重曹を省いて塩だけで構いません。
手順1:鍋にたっぷりのお湯を沸かす
鍋によもぎが十分に浸かる量の水を入れ、しっかり沸騰させます。
少ない湯で大量のよもぎを茹でると、湯の温度が下がりやすくなります。
大きめの鍋を用意し、よもぎが重ならないように茹でると均一に火が通りやすくなります。
手順2:塩または重曹を入れる
新芽なら塩をひとつまみ加えます。
育った葉を使う場合は、重曹を加えます。
重曹は熱湯に入れると泡立つことがあるため、一度火を弱めてから少しずつ加えると安心です。
手順3:よもぎを1〜2分茹でる
沸騰した湯によもぎを入れ、全体が湯に浸かるように軽く混ぜます。
茹で時間の目安は次のとおりです。
- 柔らかい新芽:約1分
- 少し成長した葉:約1〜2分
- 硬い葉や太い茎:硬い部分を先に取り除き、残った葉の状態を見ながら調整
重曹を使った場合は、特に茹ですぎに注意してください。
葉が十分に柔らかくなり、色が鮮やかになった段階で引き上げます。
三越伊勢丹FOODIEでも、茎を指でつまんで柔らかさを確認し、茹ですぎによって香りが失われないようにする方法が紹介されています。
手順4:すぐに冷水へ移す
茹で上がったよもぎは、ザルに上げてすぐ冷水に移します。
この工程には、余熱による加熱を止め、色の変化を抑える役割があります。
冷水は十分な量を用意し、よもぎ全体を浸してください。
氷を加えた冷水を使っても構いません。
手順5:水を交換しながらあくを抜く
冷水に浸した後は、様子を見ながら水を交換します。
目安は次のとおりです。
| よもぎの状態 | 水さらし時間 |
|---|---|
| 柔らかい新芽 | 約5〜10分 |
| 少し成長した葉 | 約10〜15分 |
| あくが強い葉 | 約15〜20分 |
水は2〜3回程度交換し、途中で少量を味見して苦味の残り方を確認します。
三越伊勢丹FOODIEでは、よもぎの状態に応じて1〜20分程度水にさらす方法を紹介しています。また、日本テレビの草もちレシピでは10分が目安とされています。
重要なのは、長時間水に浸せば必ずおいしくなるわけではないことです。
あくを取り除くことと香りを残すことのバランスを考えましょう。
【苦味・えぐみ対策】重曹の入れすぎと長時間の水さらしに注意
よもぎの下処理でよくある失敗は、あくを取り除こうとして処理を強くしすぎることです。
苦味やえぐみが残る原因を理解しておくと、仕上がりを調整しやすくなります。
失敗1:重曹を入れすぎて香りが弱くなる
重曹を多く入れすぎると、よもぎの風味が損なわれたり、葉が柔らかくなりすぎたりすることがあります。
また、重曹を使って長時間茹でると、よもぎ特有の爽やかな香りも失われやすくなります。
対策は次の3つです。
- 分量は少なめから調整する。
- 茹で時間を必要以上に延ばさない。
- 新芽には重曹を使わない選択肢も考える。
共立食品も、あくを取りすぎるとよもぎの香りがなくなる点を注意事項として挙げています。
失敗2:水にさらしすぎて香りが抜ける
茹でたよもぎを長時間水に浸しておくと、あくと一緒によもぎの風味も弱くなりやすくなります。
特に新芽はもともとあくが少ないため、長時間の水さらしは必要ありません。
苦味がほとんど気にならない場合は、早めに水から引き上げてください。
失敗3:育った葉をそのまま使って筋が残る
葉が大きく育ったよもぎは、茹でても繊維が残る場合があります。
この場合、茹で時間を極端に延ばすよりも、硬い茎や筋の強い葉を取り除くことが先決です。
草餅やペーストに使う場合は、柔らかい葉を中心に選ぶことで、仕上がりが大きく変わります。
失敗4:苦味が残ったまま調理する
水さらしを終えた段階で苦味が気になるなら、もう一度水を交換して数分さらします。
ただし、よもぎには独特のほろ苦さがあります。
すべての苦味をなくすことを目標にすると、よもぎらしい風味まで弱くなってしまいます。
目指したいのは、口に残る強いえぐみを抑えながら、春らしい香りとほのかな苦味を残す仕上がりです。
【冷凍保存とペースト】よもぎ餅にすぐ使える保存方法
一度にたくさんのよもぎを摘んだ場合は、下処理して冷凍しておくと便利です。
農林水産省の郷土料理紹介でも、茹でてあく抜きしたよもぎを冷凍し、季節が過ぎても草餅に利用する方法が紹介されています。
よもぎの冷凍保存方法
基本的な手順は次のとおりです。
1. よもぎを洗い、硬い茎や傷んだ葉を取り除く。
2. 塩または重曹を使ってあく抜きする。
3. 冷水に取って粗熱を取る。
4. 水気を軽く絞る。
5. 使いやすい量に分ける。
6. ラップで包み、冷凍用保存袋に入れる。
7. 空気を抜いて冷凍庫に保存する。
要点は、1回で使い切れる量に小分けすることです。
よもぎ餅を作るなら、30〜50g程度ずつ分けておくと計量しやすくなります。
保存袋は平らにして冷凍すると、必要な分だけ取り出しやすくなります。
家庭用冷凍庫では温度変化が起こりやすいため、風味を重視するなら2〜3か月を目安に使い切るとよいでしょう。農林水産省も家庭での冷凍食品は2〜3か月程度で使い切ることを勧めています。
よもぎペーストの作り方
草餅やよもぎ団子に使うなら、ペースト状にしてから冷凍する方法もおすすめです。
材料
- 下処理済みのよもぎ:100g
- 水:少量(必要に応じて調整)
作り方
1. あく抜きしたよもぎを冷水から取り出す。
2. 手で軽く絞って余分な水分を切る。
3. 包丁で細かく刻む。
4. フードプロセッサーやハンドブレンダーに入れる。
5. 必要に応じて少量の水を加え、ペースト状にする。
6. 30〜50g程度に小分けする。
7. ラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍する。
ペーストの水分調整が仕上がりを左右する
ペーストを作る際は、水を一度にたくさん加えないようにします。
水分が多すぎると、よもぎ餅の生地が柔らかくなりすぎたり、団子の形が崩れやすくなったりします。
少量ずつ水を加え、葉が細かくなめらかになる程度に調整しましょう。
また、よもぎを強く絞りすぎると、ペーストにする際に回りにくくなるため、適度な水分を残すことも大切です。
冷凍したよもぎペーストの使い方
冷凍ペーストは、次のような料理に活用できます。
- よもぎ餅
- よもぎ団子
- よもぎ蒸しパン
- よもぎパン
- よもぎ入り白玉
- よもぎの和風スイーツ
餅や団子の生地に混ぜる場合は、冷蔵庫で解凍してから使うか、凍ったまま少量ずつ加えて調整します。
一度解凍したものを再冷凍することは避け、使う分だけ取り出すようにしましょう。
【安全に食べるために】野生のよもぎを摘むときの注意点
よもぎは身近な野草ですが、野外で採取する場合は安全性にも注意が必要です。
農林水産省は、春先から初夏にかけて、食べられる山菜や野草と有毒植物を間違えて食べる事故が発生していると注意喚起しています。
食用であることを確実に判断できない植物は採取しないことが基本です。加熱しても分解されない有毒成分を含む植物もあるため、茹でれば安全になるという考え方は危険です。
特に次の点を守りましょう。
- よもぎと確実に判断できる植物だけを採取する。
- 異なる植物が混ざっていないか確認する。
- 汚染が疑われる場所で採取したものは食べない。
- もらった野草も種類を確認してから調理する。
- 強い苦味や舌のしびれなど異常を感じたら食べない。
安全性を優先するなら、食用として販売されている生よもぎを購入する方法もあります。
【よもぎのあく抜き】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:よもぎのあく抜きは重曹なしでもできますか?
A1:できます。特に春先の柔らかい新芽なら、重曹を使わず塩をひとつまみ入れた熱湯で約1分茹でる方法が適しています。育った葉の場合は、重曹を使う方が繊維を柔らかくしやすくなります。
Q2:よもぎのあく抜きに重曹はどのくらい必要ですか?
A2:水1Lに対して小さじ1/3〜1/2程度から調整する方法がおすすめです。レシピによっては小さじ1を使うものもありますが、香りを残したい場合は控えめに始めましょう。
Q3:よもぎの茹で時間は何分ですか?
A3:基本は1〜2分です。柔らかい新芽なら約1分、少し成長した葉なら1〜2分を目安にします。茹ですぎると香りが弱くなるため、葉の状態を確認してください。
Q4:よもぎは茹でた後、何分くらい水にさらしますか?
A4:新芽なら約5〜10分、育った葉なら約10〜20分が目安です。途中で水を2〜3回交換し、苦味の残り方を確認しましょう。
Q5:よもぎのあく抜きに塩と重曹を両方入れてもよいですか?
A5:両方を使うレシピもあります。塩をひとつまみ、重曹を少量加える方法ですが、新芽なら両方を使う必要はありません。葉の状態や好みの仕上がりに合わせて選んでください。
Q6:よもぎの苦味が強く残った場合はどうすればよいですか?
A6:まず冷水を新しくして、数分追加でさらしてみましょう。それでも強い場合は、次回から硬い部分を除き、重曹を少量使って下処理する方法を試してください。ただし、苦味やしびれが強い場合、植物の種類に疑いがある場合は食べないでください。
Q7:よもぎはペースト状にして冷凍できますか?
A7:できます。あく抜きして水気を適度に切り、フードプロセッサーなどでペースト状にしてから小分け冷凍します。草餅やよもぎ団子を作るときに便利です。
まとめ:よもぎのあく抜きは葉の成長段階と香りの残し方が決め手
よもぎのあく抜きは、重曹を使うか塩だけで仕上げるかによって、食感や香りに違いが生まれます。
柔らかい新芽なら重曹なしで塩茹でする方法、育った葉なら少量の重曹を使う方法が基本です。
茹で時間は1〜2分を目安にし、茹で上がったらすぐ冷水に移します。水を交換しながら10分前後を中心に状態を確認し、必要に応じて時間を調整しましょう。
また、一度にたくさん収穫した場合は、下処理して冷凍したり、ペースト状に加工したりしておけば、季節を問わず草餅やよもぎ団子を楽しめます。
【プロの結論】
よもぎの下処理で最も大切なのは、あくを完全になくすことではありません。苦味やえぐみを抑えながら、よもぎ本来の香りと柔らかな食感を残すことです。
重曹の量を増やしたり、長時間水にさらしたりするよりも、摘んだ葉の状態を見極めて、必要最小限の処理を行う方が仕上がりの満足度は高くなります。
春の新芽ならシンプルに塩茹で、成長した葉なら重曹を使って丁寧に下処理する。この使い分けを覚えておけば、自家製のよもぎ餅やよもぎペーストを、より香り豊かに楽しめます。
主な参考資料:農林水産省「知らない野草、山菜は採らない、食べない!」・「うちの郷土料理 草餅」、日本テレビ「キユーピー3分クッキング」、共立食品「よもぎのアク抜き」、三越伊勢丹FOODIE「よもぎ餅(草餅)の作り方」。