ホーム スポーツ 警告試合とは?死球で即退場になる条件と危険球との違い、2026年最新ルールを徹底解説

警告試合とは?死球で即退場になる条件と危険球との違い、2026年最新ルールを徹底解説

大槻 莉子 大槻 莉子 • 更新: • 公開: • 読了約 25 分
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プロ野球中継で耳にする「警告試合」。死球が続いたり、選手同士が一触即発の状態になったりした際、審判団が宣告する措置ですが、警告試合になった瞬間から、すべてのデッドボールが即退場になるわけではありません。実際には、投球の故意性や悪質性、試合前後の経緯などを審判員が判断し、退場処分の対象となるかを決めます。

警告試合は公認野球規則に独立した条文がある制度ではなく、NPBのセ・リーグ、パ・リーグが定めるアグリーメント(申し合わせ事項)に基づいて運用されています。2026年も中日対広島戦や広島対阪神戦などで宣告されており、報復死球や乱闘を防ぐための安全措置として機能しています。危険球退場との違い、監督の退場条件、事前に警告試合として始まる特殊なケースまで整理します。

【基本解説】警告試合とは?野球で宣告される意味と目的

警告試合とは

警告試合とは、プロ野球で死球や危険球、乱闘寸前のトラブルなどが発生し、報復行為が続く可能性があると審判団が判断したときに宣告する特別な措置です。

英語の一般的な表現では「Warning Game」と説明されることもありますが、NPBでの運用を理解するうえでは、両チームに対して報復行為をしないよう強く警告する制度と捉えるのが適切です。

警告試合が宣告されると何が変わる?

通常の試合では、投手が打者に死球を与えても、それだけで必ず退場になるわけではありません。投球が故意だったか、危険な行為だったかなどを踏まえて判断されます。

しかし、警告試合になると状況が変わります。審判団は両チームに対し、これ以上の報復行為や危険なプレーを認めないという明確な姿勢を示します。

警告試合の宣告後、審判員が報復目的と判断する死球などがあれば、関係した選手や監督に退場を宣告することがあります。

ここで大切なのは、警告試合になっても試合そのものが中止になるわけではないという点です。通常どおり試合は続行され、勝敗や個人成績も通常の公式記録として扱われます。

なぜ警告試合が必要なのか?

背景にあるのは、野球特有の報復死球の連鎖です。

投手が相手の主力打者に死球を与えると、相手チームが報復として別の打者にボールをぶつける。加えて、その報復に対して再び死球が投じられる。このような応酬が続けば、選手同士の対立が深まり、乱闘に発展する危険があります。

死球は単なる打撃機会の変化ではありません。頭部や顔面、肩、手首などに当たれば、選手生命に関わるけがにつながる可能性もあります。

警告試合には、こうした危険を未然に防ぎ、選手と審判員の安全を守りながら試合を成立させる役割があります。

警告試合の歴史的背景

危険球に対するNPBの取り締まり強化を考えるうえで、重要な出来事が1994年5月11日のヤクルト対巨人戦です。

神宮球場で行われた試合では、ヤクルトの西村竜次投手が巨人の村田真一捕手に頭部死球を与え、その後、巨人の木田優夫投手による報復死球も発生しました。さらに7回には、巨人のダン・グラッデン選手がヤクルトの内角球をきっかけに捕手の中西親志選手と衝突。両軍を巻き込む大乱闘に発展しました。

この騒動では3人が退場となり、グラッデン選手は指を2本骨折。翌日にはセ・リーグによる事情聴取も行われました。

このような死球を巡る深刻なトラブルを背景に、危険球に対する内規の整備や厳格化が進みました。元パ・リーグ審判員の山崎夏生氏も、週刊ベースボールONLINEの解説で、1994年の大乱闘を危険球退場制度が整備される契機として紹介しています。

【退場ルール】警告試合で死球を受けたら投手は必ず退場する?

警告試合について最も誤解されやすいのが、宣告後の死球と退場処分の関係です。

答えは、試合途中に警告試合が宣告された場合、その後の死球がすべて自動的に退場になるわけではありません。

これはセ・リーグのアグリーメントに関する報道でも明確に説明されています。判断の中心となるのは、投球の故意性や悪質性です。

警告試合後の死球で退場になるケース

警告試合の宣告後、次のような状況では退場処分となる可能性があります。

  • 相手チームへの報復を目的として意図的に死球を与えたと判断された場合。
  • 打者の頭部などに危険な投球を行い、重大な危険を生じさせた場合。
  • それまでの死球や乱闘の経緯から、報復目的の投球と判断できる場合。
  • 死球以外でも、報復と認められる危険なプレーを行った場合。

特に重要なのは、ボールが当たった場所や死球の回数だけで判断されるわけではないことです。

例えば、警告試合の宣告後に投手が制球を乱し、緩い変化球が打者の足に当たった場合、故意性や悪質性がないと判断されれば、退場にはならないことがあります。

警告試合後でも退場にならないケース

代表的な事例が、2018年5月1日の広島対巨人戦です。

巨人の山口俊投手は広島の會澤翼選手に2打席連続で死球を与えました。2回に続いて3回にも初球が左肩に当たり、會澤選手がマウンド方向へ歩み寄ったことで両軍の選手がベンチから飛び出しました。

乱闘寸前の状態になったため、審判団は警告試合を宣告しました。

その後、5回には巨人のアレックス・ゲレーロ選手が、この日2つ目の死球を受けました。しかし、広島の中村祐太投手による緩い変化球のすっぽ抜けで、故意性や悪質性がないと判断され、退場にはなりませんでした。

この事例は、警告試合になったからといって、死球が機械的に退場処分へ結び付くわけではないことを示しています。

試合前から警告試合として始まる場合は別

通常の警告試合とは異なる例外的な運用もあります。

セ・リーグのアグリーメントに関する報道では、試合途中に警告試合が宣告された場合と、試合開始前から警告試合として設定された場合とで、死球の扱いが異なると説明されています。

事前に警告試合として開始された場合は、死球の程度を問わず、死球を与えた投手が自動的に退場となる特別な扱いです。

2005年5月15日の西武対巨人戦が代表例です。前の2試合で両軍合わせて6個の死球が発生し、報復の懸念が強まったことから、第3戦は試合開始前から警告試合として行われました。

つまり、同じ警告試合でも、試合途中に宣告されたのか、試合前から設定されていたのかによって、退場の条件が異なります。

【ルール比較】警告試合・危険球退場・公認野球規則の違い

警告試合を正しく理解するには、危険球退場との違いを押さえる必要があります。

両者は関連していますが、同じ制度ではありません。危険球退場は打者の生命や選手生活に重大な影響を及ぼす危険な投球に対する措置であり、警告試合は報復や乱闘の連鎖を防ぐための措置です。

公認野球規則6.02(c)(9)との関係

公認野球規則6.02(c)(9)では、投手が意図的に打者を狙って投球する行為を禁止しています。

この規定は、実際に打者にボールが当たったかどうかだけで判断するものではありません。審判員が故意に打者を狙ったと判断すれば、投球が死球にならなかった場合でも警告や退場の対象になり得ます。

一方、警告試合という名称や具体的な運用は、公認野球規則に独立した条文として定められたものではありません。NPBのセ・リーグ、パ・リーグが設けるアグリーメントや申し合わせ事項に基づく内規です。

したがって、公認野球規則が定める禁止行為と、リーグ独自の警告試合制度を混同しないことが大切です。

警告試合と危険球退場の比較

  • 警告試合:報復行為や乱闘を防ぐため、両チームに警告を与える措置。
  • 危険球退場:打者の選手生命に影響を与えると審判員が判断した危険な投球に対する退場処分。
  • 通常の死球:打者に投球が当たった状態。故意性や危険性がなければ、原則として死球だけを理由に投手が退場になるわけではない。
  • 報復死球:相手チームへの仕返しを目的とした投球。警告試合中は特に厳しく判断される。

頭部に当たったからといって、必ず危険球退場になるわけではありません。反対に、頭部に当たっていなくても、打者を意図的に狙ったと判断されれば処分の対象となる可能性があります。

危険球については、元パ・リーグ審判員の山崎夏生氏が週刊ベースボールONLINEのインタビューで、危険球の定義や審判の裁量について詳しく説明しています。

【判断基準】警告試合の宣告を審判はどう判断する?

警告試合を宣告するかどうかは、審判団が試合全体の状況を見て判断します。単純に死球が何個発生したら警告試合になる、という一律の数字が決められているわけではありません。

審判が注目する主なポイント

判断材料となるのは、主に次のような要素です。

1.死球が発生するまでの経緯

同じカードで死球が何度も発生しているか、特定の打者に繰り返し投球が当たっているかなどが考慮されます。前の試合からトラブルが続いている場合も、警戒を強める要因になります。

2.投球の内容と危険性

投球の球速、球種、軌道、打者の頭部や身体への当たり方などが判断材料になります。頭部に当たった場合には、打者の回避動作や投球の危険性も含めて検討されます。

3.投手と打者の状況

特定の選手同士に過去の死球を巡る経緯があるか、試合展開の中で報復が疑われる状況が生まれているかなども重要です。ただし、過去に死球があったというだけで、次の投球が故意と断定されるわけではありません。

4.選手や監督の行動

死球の直後に打者が投手へ詰め寄ったり、両軍の選手がベンチから飛び出したりすれば、乱闘に発展する危険が高まります。監督やコーチを含む首脳陣の動きも、試合全体の緊張状態を判断する材料になります。

故意性と悪質性はどう違う?

故意性とは、投手が意図的に打者を狙ったかどうかという問題です。一方、悪質性は、行為の危険度や経緯、報復の意図などを踏まえた総合的な評価に関係します。

例えば、投手が制球を乱してボールが打者の足に当たった場合と、打者の身体に向けて意図的に投げ込んだ場合では、同じ死球でも意味が異なります。

また、頭部への投球についても、単に当たった場所だけでなく、打者に重大な危険を及ぼす投球だったかという観点が重要です。

審判員は映像やその場の状況、投球の軌道、選手の反応などを踏まえて判断します。機械的な死球数のカウントだけでは決められないのが、この制度の特徴です。

監督も退場になる?

警告試合では、報復と判断された危険なプレーを行った選手だけでなく、そのチームの監督も退場の対象となり得ます。

ただし、監督であれば死球が発生しただけで自動的に退場になるという意味ではありません。報復行為に関する内規上の責任や、監督自身の行動などが判断に関係します。

また、警告試合とは別に、公認野球規則8.02の審判員の裁定に関する規定によって、判定への不当な抗議を続けた監督が退場になるケースもあります。

2026年6月には阪神の藤川球児監督が、ソフトバンク戦でリクエスト検証後の判定に異議を申し立て、警告後も抗議を続けたため退場処分となりました。NPBは同月11日、厳重注意と制裁金10万円を発表しています。これは警告試合に伴う報復行為への処分ではなく、判定への異議申し立てに関する別の事案です。

【実例・歴代事例】警告試合が宣告されたプロ野球の代表的な試合

警告試合は、単に死球が多い試合で宣告されるわけではありません。過去の事例を比較すると、乱闘寸前の状況、複数試合にわたる死球の蓄積、頭部への危険球など、宣告に至る経緯はさまざまです。

代表的な事例を時系列で整理します。

年月日 対戦カード・出来事 警告試合のポイント
1994年5月11日 ヤクルト対巨人 死球と報復、乱闘が発生。危険球対策の強化につながった歴史的事件。
2005年5月15日 西武対巨人 前の2試合で計6死球。試合前から警告試合として開始した特殊な事例。
2010年5月4日・5日 オリックス対ソフトバンク 両日とも死球を巡って選手がベンチから飛び出し、2試合連続で警告試合となった。
2018年5月1日 広島対巨人 會澤翼選手への連続死球で警告試合。その後の死球は故意性なしと判断され退場にならなかった。
2021年4月18日 阪神対ヤクルト 2試合にわたる計5死球を背景に、甲子園で警告試合を宣告。
2023年5月20日 DeNA対ヤクルト 宮崎敏郎選手への死球をきっかけに両軍が一触即発となり、警告試合を宣告。
2025年4月20日 阪神対広島 坂本誠志郎選手への頭部死球で広島の岡本駿投手が危険球退場。警告試合も宣告された。
2026年5月15日 中日対ヤクルト 複数の死球を巡って乱闘騒ぎとなり、警告試合を宣告。
2026年7月19日 広島対阪神 大山悠輔選手への死球をきっかけに両軍がグラウンドへ。カード4死球目で警告試合となった。
2026年9月2日 中日対広島 1試合4死球。7回のターノック投手による2つ目の死球で一触即発となり警告試合を宣告。

2010年5月4日・5日:2日連続で警告試合

オリックスとソフトバンクの試合では、2010年5月4日と5日の2日間にわたって警告試合が宣告されました。

4日はソフトバンクの松田宣浩選手が2打席連続で死球を受けたほか、8回にはホセ・オーティズ選手が小松聖投手から死球を受け、投手に詰め寄る場面が発生。両軍の選手がベンチから飛び出し、審判団が警告試合を宣告しました。

翌5日も死球を巡って両軍が対立。オリックスのラロッカ選手がこの日2個目の死球を受けたことで、再びベンチから選手が飛び出しました。

日刊スポーツの当時の報道では、岡田彰布監督と秋山幸二監督による話し合いも取り上げられています。死球が試合単体の問題ではなく、カード全体の緊張関係に発展した事例です。

2021年4月18日:阪神対ヤクルトで計5死球

2021年4月18日の阪神対ヤクルト戦では、2試合にわたって両軍の打者が死球を受けたことから、警告試合が宣告されました。

16日の試合では阪神の藤浪晋太郎投手からヤクルトの山田哲人選手、塩見泰隆選手が死球を受けました。18日にも阪神の岩貞祐太投手が村上宗隆選手に、加治屋蓮投手が塩見選手に死球を与えました。

さらに8回にはヤクルトの梅野雄吾投手が阪神の大山悠輔選手に死球を与え、真鍋球審が警告試合を宣告。場内アナウンスでも観客に伝えられました。

この事例は、1試合だけでなく、前の試合から続く死球の蓄積が判断に影響することを示しています。

2023年5月20日:DeNA対ヤクルトで両軍に警告

2023年5月20日のDeNA対ヤクルト戦では、DeNAの牧秀悟選手、佐野恵太選手、宮崎敏郎選手が死球を受けました。

宮崎選手への死球を巡って両軍が一触即発となり、審判団は両チームに警告試合を宣告しました。

この試合では、3つの死球を受けたDeNA側だけでなく、両軍に警告が出されたことが話題になりました。報復を防ぐための措置である以上、被害を受けた側が仕返しをすることも許されないという制度の性質が表れています。

同日のデイリースポーツは、2023年のセ・リーグアグリーメントの内容を紹介し、警告試合後の死球がすべて退場になるわけではないと解説しました。

2025年4月20日:阪神・広島戦で危険球退場と警告試合

2025年4月20日の阪神対広島戦では、広島の岡本駿投手が阪神の坂本誠志郎捕手に頭部死球を与えました。

これを受けて阪神の藤川球児監督がベンチから出て、広島側に強く抗議。両軍の選手や首脳陣が本塁付近に集まり、一触即発の状態となりました。

岡本投手には危険球退場が宣告され、試合自体も警告試合となりました。

この事例は、危険球退場と警告試合が同時に成立することを示しています。前者は投手の危険な投球への処分、後者はその後の報復や乱闘を防ぐ措置です。

2026年9月2日:中日対広島で1試合4死球

2026年の代表的な事例として挙げられるのが、9月2日の中日対広島戦です。

この試合では中日が計4死球を受けました。7回には広島のターノック投手が石川昂弥選手に死球を与えた後、石伊雄太捕手にも153キロの投球を当てました。

これをきっかけに両軍のベンチから選手や首脳陣がグラウンドに出て、一触即発の雰囲気に。真鍋球審が警告試合を宣告しました。

広島の新井貴浩監督は試合後、死球を受けた選手がその後も通常どおりプレーできたことに安堵する趣旨のコメントを残しています。

試合は中日が5対4で勝利。NPB公式の試合速報にも、当日の結果と出場選手の記録が掲載されています。

2026年の実例からも、警告試合は過去の慣習にとどまらず、現在のプロ野球でも実際に運用されていることが分かります。

【2026年最新】セ・リーグとパ・リーグの申し合わせ事項はどうなっている?

警告試合は、NPB全体の試合運営に関わる措置ですが、その根拠となるのは各リーグのアグリーメントや申し合わせ事項です。

セ・リーグのアグリーメント

セ・リーグでは、危険球によって退場が宣告された場合、その後の状況を踏まえて警告試合とすることがあるとされています。

また、危険球以外の理由で試合途中に警告試合が宣告された場合も、宣告後のすべての死球を自動的に退場とするわけではありません。故意性や悪質性がないと審判員が判断すれば、退場処分にならないという考え方が示されています。

一方、試合前から警告試合として開始した場合には、死球の程度にかかわらず投手を退場とする特別な運用があります。

パ・リーグの申し合わせ事項

パ・リーグでも、報復死球や危険なプレーによるトラブルを防ぐため、リーグのアグリーメントや申し合わせ事項に基づいて警告試合が運用されています。

2005年5月15日の西武対巨人戦は、パ・リーグのアグリーメントに基づいて試合前から警告試合として実施された事例として知られています。

このように、セ・パ両リーグとも報復行為の防止を目的とする点は共通しています。ただし、個別の条文の表現や運用の細部については、それぞれの年度のリーグ資料を基準に理解する必要があります。

2026年時点で押さえておきたいルールの整理

2026年11月現在、警告試合はセ・パ両リーグの申し合わせ事項に基づく運用が続いています。2026年9月の中日対広島戦や同年7月の広島対阪神戦でも、審判団による宣告が報道されています。

一方、警告試合と危険球退場は別の措置です。NPBのルールを確認する際には、公認野球規則の打者を狙った投球の禁止と、リーグ独自の危険球・警告試合の内規を分けて考える必要があります。

また、2026年5月11日には、NPBから危険スイングに関する罰則規定も公表されました。これはバットを投げ出す危険な行為を対象にした別の安全対策であり、死球を巡る警告試合とは異なる制度です。

【観戦ガイド】警告試合のニュースや実況で確認したいポイント

警告試合の宣告を聞いたとき、観戦者が確認したいのは、単純に次の死球で誰が退場するかという点だけではありません。

制度の仕組みを知っておけば、審判の判断や監督の抗議、両チームの対応をより正確に理解できます。

確認すべき3つのポイント

  • 試合前から警告試合だったか:事前設定の場合は、通常の試合途中の宣告とは死球の退場条件が異なる。
  • 危険球退場が発生しているか:頭部への危険な投球に対する処分なのか、乱闘防止のための警告なのかを区別する。
  • 審判が故意性や悪質性をどう判断したか:死球の場所や回数だけでなく、投球の軌道や試合全体の経緯を見る。

よくある誤解を整理

誤解1:警告試合になったら次の死球で必ず退場する。

これは正確ではありません。試合途中の宣告では、すべての死球が自動的に退場になるわけではなく、審判員が故意性や悪質性を判断します。

誤解2:頭部に当たれば必ず危険球退場になる。

頭部への死球は重大な危険を伴いますが、危険球かどうかは審判員が投球の内容などを踏まえて判断します。頭部に当たったという事実だけで、あらゆるケースが同じ処分になるわけではありません。

誤解3:警告試合を宣告されたら試合が中止になる。

警告試合は試合中止の措置ではありません。通常どおり試合は続行されます。

誤解4:警告試合では被害を受けた側だけが警告される。

警告は報復行為を防ぐための措置です。被害を受けた側も仕返しをしてよいわけではなく、両チームが対象になります。

【警告試合とは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:警告試合になると、次に死球を与えた投手は必ず退場しますか?
A1:試合途中に警告試合が宣告された場合は、必ずしも退場にはなりません。審判員が故意性や悪質性を認めた場合に退場処分となります。ただし、試合前から警告試合として開始された特別なケースでは、死球の程度を問わず退場となる扱いがあります。

Q2:警告試合と危険球退場は何が違いますか?
A2:危険球退場は、打者の選手生命に影響する危険な投球に対する処分です。警告試合は、死球や危険なプレーによる報復や乱闘を防ぐための措置です。危険球退場が宣告されたことをきっかけに、警告試合が宣告される場合もあります。

Q3:警告試合では監督も退場になりますか?
A3:監督も退場の対象となる場合があります。報復行為と判断された危険なプレーを行った選手だけでなく、そのチームの監督にも処分が及ぶ可能性があります。ただし、死球が発生しただけで監督が自動的に退場になるわけではありません。

Q4:警告試合は公認野球規則に書かれていますか?
A4:警告試合そのものを独立して定めた条文は公認野球規則にはありません。NPBのセ・リーグ、パ・リーグのアグリーメントや申し合わせ事項に基づいて運用されています。一方、打者を意図的に狙う投球は禁止されており、公認野球規則6.02(c)(9)が関係します。

Q5:警告試合は何個の死球が出ると宣告されますか?
A5:一律の死球数による基準はありません。1試合の死球数だけでなく、前の試合からの経緯、危険球の有無、選手同士の対立、乱闘に発展する可能性などを総合的に審判団が判断します。

Q6:警告試合になったら、その後の試合も警告試合になりますか?
A6:通常は宣告された試合に対する措置です。ただし、前の試合からトラブルが続いている場合には、次の試合を開始前から警告試合として設定するケースもあります。2005年の西武対巨人戦が代表例です。

まとめ:警告試合は報復死球と乱闘を防ぐための安全措置

警告試合とは、プロ野球で死球や危険球、選手同士の対立などをきっかけに、報復行為や乱闘の連鎖を防ぐために審判団が宣告する措置です。

最も重要なのは、警告試合になったからといって、すべての死球が自動的に退場になるわけではないという点です。試合途中に宣告された場合は、投球の故意性や悪質性を審判員が判断します。一方、試合開始前から警告試合として設定された場合には、死球の程度を問わず退場となる特別な扱いがあります。

また、危険球退場は打者の安全を守るための処分であり、警告試合は報復行為や乱闘を防ぐための措置です。公認野球規則6.02(c)(9)による打者を狙った投球の禁止と、セ・パ両リーグの申し合わせ事項を区別することも大切です。

2026年も中日対広島戦や広島対阪神戦などで警告試合が宣告されました。プロ野球を観戦する際は、死球の数だけでなく、その前後の経緯や審判の判断にも注目してみてください。警告試合の本質は、選手同士の対立を深めることではなく、安全な試合環境を守り、最後まで野球を成立させることにあります。

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大槻 莉子
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