ホーム スポーツ 國友公司とは何者?読み方・経歴から代表作と2026年最新の活動まで徹底解説

國友公司とは何者?読み方・経歴から代表作と2026年最新の活動まで徹底解説

藤堂 遥 藤堂 遥 • 更新: • 公開: • 読了約 29 分
目次

國友公司(くにとも・こうじ)さんは、西成のドヤ街、東京・歌舞伎町、ホームレスの生活現場など、一般の人が普段目にすることの少ない場所に自ら身を置き、そこで出会った人々の暮らしや価値観を描くルポライターです。2018年に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』でデビュー。その後、『ルポ歌舞伎町』『ルポ路上生活』を発表し、2025年には『ワイルドサイド漂流記』と『ルポ路上メシ』を刊行しました。

2026年11月現在は、書籍の執筆だけでなく、東洋経済オンラインでの連載、YouTubeチャンネルでの情報発信などにも活動を広げています。筑波大学芸術専門学群を7年かけて卒業した異色の経歴や、取材対象の街に実際に住み、働きながら人間関係を築く独特の取材スタイルも関心を集める理由です。國友公司とはどのような人物なのか。代表作の内容、評判、2026年の最新動向まで整理します。

【國友公司とは何者?】読み方・プロフィールと筑波大学時代の経歴

國友公司

國友公司は、社会の周縁で生きる人々や、繁華街の裏側にある独特の人間関係を取材してきた日本のルポライターです。

読み方は「くにとも・こうじ」。姓の「國友」は旧字体を用いた表記で、一般的な「国友」ではなく「國友」と書きます。

基本プロフィール

出版社や著者プロフィール、インタビュー記事で紹介されている基本情報を整理すると、次のようになります。




國友公司


くにとも・こうじ
ルポライター・編集者

項目 内容
生年 1992年
出身地 栃木県那須
最終学歴 筑波大学芸術専門学群
職業 ルポライター・ライター・編集者
デビュー 2018年
デビュー作 『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』
主な活動分野 社会問題、貧困、繁華街、人物ルポ
YouTube 進め! ルポライター國友公司


筑波大学芸術専門学群では建築を志していた

國友公司の経歴で興味深いのは、もともとジャーナリストを目指して大学に進学したわけではないことです。

本人が2025年のFREENANCE MAGのインタビューで語ったところによると、中学2年生ごろまではプロ野球選手を目指し、その後は建築家に関心を持つようになりました。栃木県那須で育ち、旅館やホテルなどの建築空間に魅力を感じたことが、建築への興味につながったといいます。

進学先は筑波大学芸術専門学群。建築を学ぶなかで、設計課題や模型制作、プレゼンテーションなどに追われる生活に次第に違和感を覚えたそうです。

また、建築業界の長い下積みや働き方にも自分との相性を感じられず、海外旅行への関心を強めていきました。

水商売のアルバイトや東南アジアでの放浪に時間を費やし、大学卒業までには7年間を要しました。

本人は、冒険家になることへの憧れがあり、旅の経験を文章にまとめるためにライターの道を選んだ経緯をインタビューで明かしています。

卒業後は出版社への就職よりフリーライターの道へ

大学卒業後には出版社への就職も考えましたが、就職活動では3社しか受けなかったことを本人が明かしています。

その後、フリーライターとして活動を始め、当初はクラウドソーシングで文字単価1円未満の仕事を受け、毎日大量の文章を書く時期もありました。

日刊SPA!の2024年のインタビューでは、取材ライターとして仕事を積み重ねるまでの苦労や、文字単価を上げていった過程も紹介されています。

最初から出版社の看板を背負った作家だったわけではありません。現場取材と執筆を重ねながら、徐々に仕事の幅を広げてきた人物です。

【経歴・年表】『ルポ西成』から『ルポ歌舞伎町』までの転機

國友公司のキャリアを理解するには、単純に出版された本を並べるだけでなく、どの街に身を置き、何を見ようとしたのかを時系列で追うことが重要です。

大きな転機となったのは、2018年の大阪・西成での生活です。その後、歌舞伎町での居住経験、東京各地でのホームレス生活へと取材対象を広げていきました。

國友公司の主な経歴と活動年表

時期 出来事・作品 内容・意味 1992年 誕生 栃木県那須の温泉地で育つ。 大学時代 筑波大学芸術専門学群 建築を学びながら、アルバイトや海外放浪を経験。 2018年 『ルポ西成』 大阪・あいりん地区で78日間生活し、出版デビュー。 2019年 歌舞伎町での生活 ヤクザマンションと呼ばれる建物に居を構え、街を取材。 2021年12月 『ルポ路上生活』 東京各地で約2か月間のホームレス生活を取材。 2023年 『ルポ歌舞伎町』 歌舞伎町の人間模様と歓楽街の暗部を描く。 2025年6月 『ワイルドサイド漂流記』 西成、歌舞伎町、インド、モンゴルなどでの体験をまとめたエッセイ集。 2025年11月 『ルポ路上メシ』 全国各地の炊き出しを巡り、52食を実食取材。 2026年6月 『せやかて、あの街は』 関西の街をテーマにしたアンソロジーに寄稿。 2026年10月 連載・YouTube活動 ゴミ屋敷や孤独を扱う取材記事、街の解説動画などを発信。

2018年、西成のあいりん地区で78日間の生活を経験

2018年4月、國友公司は25歳のときに大阪市西成区のあいりん地区へ向かいました。

そこで単に街の人々に話を聞くのではなく、日雇いの解体工や簡易宿所の従業員として働き、「國やん」という立場で生活を始めます。

当初は短期間の取材を想定していたものの、現地の人々との交流や街の雰囲気に引き込まれ、結果的に78日間を過ごしました。

この経験が『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』につながり、ルポライターとしてのキャリアを本格的にスタートさせます。

2019年には歌舞伎町のディープな人間関係へ

西成に続いて取り組んだ大きなテーマが東京・歌舞伎町です。

2019年には、いわゆる「ヤクザマンション」と呼ばれる建物に居を構え、歌舞伎町で暮らす人々と接点を持ちながら取材を続けました。

歓楽街の表面的な華やかさではなく、ホスト、風俗関係者、アウトロー、街に長く暮らす人々など、それぞれ異なる事情を抱えた人間の生活に焦点を当てています。

【代表作を解説】『ルポ西成』『ルポ歌舞伎町』『ルポ路上生活』の魅力

國友公司の著書には、共通して「外側から見ているだけでは分からない世界を、実際に生活することで描く」という特徴があります。

ただし、各作品で扱っているテーマや文章の方向性は異なります。初めて読む人は、関心のある街や社会問題から選ぶと理解しやすいでしょう。

1. 『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』


『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』

彩図社/2018年刊行・後に文庫化
初めて読む人におすすめ
西成のドヤ街で実際に生活し、日雇い労働や簡易宿所、人々との交流を記録したデビュー作。

國友公司の代表作として最初に挙げられるのが、この作品です。

舞台は大阪市西成区のあいりん地区。元ヤクザ、生活保護受給者、日雇い労働者、博打場に関わる人々など、一般的なメディアでは断片的にしか紹介されない人たちが登場します。

特徴的なのは、著者自身が現地の仕事を経験し、住民と生活を共にしていることです。

西成を危険な街として一面的に描くのではなく、そこで暮らす人々の仕事、金銭感覚、日常の会話、街の人間関係などを具体的に記録しています。

彩図社の紹介では、単行本のデビュー作としての実績に加え、文庫版も刊行され、2026年9月時点で文庫7刷となっています。東洋経済オンラインの著者紹介では、文庫版を含めて6万部を超えるロングセラーとして紹介されています。

2. 『ルポ歌舞伎町』


『ルポ歌舞伎町』

彩図社/2023年2月刊行・2025年7月文庫版
繁華街・裏社会に関心がある人向け
2019年からの歌舞伎町生活を通じ、ホストや風俗関係者、街の住人などを描く潜入ルポ。

『ルポ歌舞伎町』は、歌舞伎町のイメージと現実のギャップに迫った作品です。

歌舞伎町といえば、ネオン、ホストクラブ、飲食店、歓楽街といった華やかな印象が先行します。しかし、その裏には複雑な人間関係や生活の事情があります。

本書では、ホスト、風俗嬢、外国人、街の事情に詳しい人々など、さまざまな立場の人物を取り上げています。

彩図社や版元の書誌情報によると、主な章には「歌舞伎町の暗部」「ホストたち」「風俗嬢たち」「歌舞伎町の浄化作戦」などが並びます。

特に注目したいのは、2019年に歌舞伎町に居を移したという取材背景です。観光客として数時間歩くだけでは見えてこない、街の住人としての視点が作品の核になっています。

3. 『ルポ路上生活』


『ルポ路上生活』

KADOKAWA/2021年12月27日発売
貧困・社会問題に関心がある人向け
東京各地でホームレスと生活を共にし、路上生活の実態を記録した240ページのノンフィクション。

『ルポ路上生活』では、ホームレスという言葉だけでは捉えきれない、路上で暮らす人々の日常が描かれます。

取材の舞台となったのは、2021年夏の東京。東京オリンピックが開催される一方で、路上では生活の場所を失った人々が暮らしていました。

國友自身も家に帰らず、約2か月にわたってホームレス生活を経験します。

作品では、寝床探し、食料の確保、衣服や生活用品の配給、炊き出し、行政との関係など、生活を維持するために必要な事柄が取り上げられています。

興味深いのは、ホームレスの人々を一括りにしていないことです。路上生活を選ぶ人、生活保護を受けない人、施設から逃れてきた人など、背景はさまざまです。

路上生活を単なる経済的困窮として説明するのではなく、本人の選択や人間関係、制度との距離感まで含めて考えるきっかけになる作品です。

4. 『ワイルドサイド漂流記』


『ワイルドサイド漂流記 歌舞伎町・西成・インド・その他の街』

文藝春秋/2025年6月25日発売・208ページ
2025年の重要作
街と旅先で出会った個性的な人物や、危険を伴う体験をまとめた初のエッセイ集。

『ワイルドサイド漂流記』は、従来の潜入ルポとは少し異なる作品です。

西成や歌舞伎町だけでなく、モンゴル、インド、ネパールなど、国内外のさまざまな場所で経験した出来事を収録しています。

作品には、ドヤ街の住人、海外で遭遇した個性的な人物、歓楽街で出会った人々などが登場します。単に危険な体験を並べるのではなく、出会った人物が著者自身の人生観に与えた影響も描かれています。

本書のきっかけについて、國友はサイゾーオンラインのインタビューで、丸山ゴンザレスのYouTubeチャンネルに出演して路上生活の体験を語ったことを説明しています。その動画を見た文藝春秋の編集者から、路上生活で魂を置いてきた街について書いてほしいと依頼されたことが、刊行につながりました。

漫画家の清野とおるも推薦コメントを寄せており、従来の社会派ルポとは違う、冒険的なエッセイとしても読める一冊です。

5. 『ルポ路上メシ』


『ルポ 路上メシ』

双葉社/2025年11月刊行・340ページ
2026年に読む最新ルポ
各地の炊き出しに並び、実際に食事をしながら現代日本の貧困を取材。

2025年11月に発売された『ルポ路上メシ』は、國友公司の取材テーマがさらに広がったことを示す作品です。

取材対象は、ホームレスや生活困窮者が集まる炊き出しの現場。上野、新宿都庁下、代々木公園、池袋、横浜の寿町、西成などを巡っています。

本書では、各地の炊き出しに足を運び、列に並び、周囲の人々と会話しながら、実際に食事をするという方法が取られています。

出版社情報などでは、取材した炊き出しは50か所以上、食べた食事は全52食と紹介されています。

ここで描かれるのは、必ずしもホームレスだけではありません。生活保護を受けている人、年金だけでは暮らしが厳しい人、自分の意思で路上生活を続ける人など、さまざまな人が炊き出しの列に並んでいます。

2026年1月の日刊ゲンダイの書評でも、炊き出しを中心にした生活や、食事を確保するために各地を回る人々の姿が紹介されました。

食べ物があることと、安心して暮らせることは同じではない。その違いを考えさせる作品です。

【取材スタイルの秘密】なぜ國友公司は現地に住み、潜入ルポを書くのか

國友公司の最大の特徴は、取材対象の街に実際に滞在し、可能な場合はそこで働き、生活を共にすることです。

一般的なインタビュー取材では、事前に取材対象者と面会し、質問を通して話を聞く方法が中心になります。一方、國友の取材では、まず自分自身がその場所で生活することから始まります。

外から観察するのではなく、生活者として街に入る

『ルポ西成』では、あいりん地区で日雇い労働やドヤの仕事を経験しました。『ルポ歌舞伎町』では、歌舞伎町のマンションに住み、街の人々との接点を増やしています。

『ルポ路上生活』では、自分自身がホームレスとして生活することで、寝床探しや食事の確保といった日々の問題を経験しました。

こうした取材では、外から観察するだけでは分からない情報が得られます。

例えば、食料をどう確保するのか、仕事をどのように見つけるのか、住民同士はどのような距離感で付き合うのか。実際にその生活を送ることで、制度や統計だけでは見えにくい部分を記録できます。

本人が語った「住んで働く」取材の始まり

サイゾーオンラインの2025年のインタビューでは、記者から社会学のフィールドワークでいう「同化」という言葉を使って取材方法を説明された際、國友自身は当時その概念を意識していなかったと答えています。

西成に行った当初は取材方法が分からず、住んで働くことしか思いつかなかったというのです。

「だから『住んで働く』しか方法が分からず、それを始めたら定着してしたんです。」

出典:サイゾーオンライン「潜入ライター・國友公司の“ワイルドサイド漂流記”」2025年8月27日

本人は、街の影響を受けやすく、外見や人相にもそれが表れやすいと話しています。また、取材対象者の本音が聞けるのは、日常生活を共にし、喜怒哀楽を共有したときだという考えも示しています。

ここに、國友のルポの核心があります。話を聞き出すために質問を重ねるだけでなく、同じ空間に身を置き、相手と時間を共有することを重視しているのです。

潜入ルポの強みと注意点

この手法には、明確な強みがあります。

第一に、現場での体験を具体的に記録できること。第二に、短時間の取材では生まれにくい人間関係を築けること。第三に、取材対象を単なる社会問題の象徴ではなく、一人の人間として描きやすいことです。

一方で、現地での経験がその街全体を代表するわけではありません。取材期間、出会った人物、本人の性格や立場によって、見える景色は変わります。

また、潜入型の取材は、危険やプライバシー、取材対象者との信頼関係など、慎重な判断が求められる手法でもあります。

國友の作品を読む際には、本人が経験した一つの生活の記録として読むことと、社会全体の統計的な実態を理解することを分ける必要があります。

その違いを理解すれば、現場の生々しさと社会的な背景の両方を、より深く読み取れます。

【2026年最新】國友公司の現在は?執筆活動・新刊・YouTubeを調査

2026年11月1日時点の國友公司は、書籍の刊行を続けながら、ウェブメディアへの寄稿やYouTubeでの発信にも取り組んでいます。

特に注目したいのは、これまでの西成・歌舞伎町・路上生活というテーマから、ゴミ屋敷、孤独、仕事、街の歴史などへと取材領域を広げていることです。

2026年の執筆活動:東洋経済オンラインでの連載

東洋経済オンラインでは、2026年に「ゴミ屋敷」や孤独をテーマにした連載企画に参加しています。

連載では、ゴミ屋敷に暮らす人々の背景や、身寄りのない高齢者、家族との関係、生活環境の問題などを取材しています。

2026年10月17日には、80代の認知症男性と、残された姉弟が直面する親の死後の片付けを扱った記事が掲載されました。

これは従来のアンダーグラウンドな街の取材とは異なる方向性です。社会の周縁にいる人々の生活を追うという基本姿勢は保ちながら、家庭内の孤立や高齢化といった問題にも焦点を広げています。

2026年6月には関西の街をテーマにしたアンソロジーにも参加


『せやかて、あの街は』

三才ブックス/2026年6月19日発売
40人の書き手が関西の街をテーマに寄稿したエッセイ集。

2026年6月19日発売の『せやかて、あの街は』にも國友公司が参加しています。

國友の寄稿タイトルは「京王プラザのラウンジで聞いた西成の話」。大阪市西成区をテーマにした作品です。

この書籍は國友単独の新刊ではなく、40人の書き手によるアンソロジーです。関西の街に関する個人的な記憶や風景を、それぞれの書き手が異なる視点から描いています。

西成を継続して取材してきた國友にとって、過去の取材経験を別の角度から文章化した仕事として注目できます。

2026年の新たな企画「儲かるブルーカラー」とは?

2026年春のYouTubeライブ配信では、國友自身が「儲かるブルーカラー」という本の取材を進めていると告知しています。

募集対象として挙げられていたのは、鉄塔鳶、高層ビルの窓拭き、杜氏、潜水士、養蜂家、除雪作業員、解体工、トラック運転手、水道工事など、さまざまな現場の仕事です。

この企画で興味深いのは、従来の取材対象とは異なる切り口にあります。

これまでの國友作品では、貧困やアウトロー、路上生活などが中心的なテーマでした。新企画では、一般的にはあまり知られていない仕事の収入や働き方に焦点を当てようとしています。

ただし、2026年11月1日時点では、取材進行中として告知された段階です。刊行済みの書籍として扱うことはできず、発売日も確定情報として紹介されていません。

YouTubeチャンネル「進め! ルポライター國友公司」も展開


進め! ルポライター國友公司

2026年も更新中
現場取材、街の解説、社会問題、ライブ配信などを扱うYouTubeチャンネル。

國友公司は、YouTubeでも独自の情報発信を行っています。

チャンネル名は「進め! ルポライター國友公司」。書籍では伝えきれない取材の裏話や街の知識、社会問題の解説などを動画で紹介しています。

2026年10月31日時点の動画掲載情報では、同日に中国・ロシア・北朝鮮の国境沿いを2週間かけて旅した様子を伝える動画や、歓楽街の摘発をテーマにした解説動画が公開されています。

また、10月30日には「インタビューライターはAIの進化で消滅する?」というショート動画も公開。出版・メディア業界の変化を取り上げています。

2026年春には視聴者から質問を受け付けるライブ配信も実施されました。さらに「働く! ルポライター國友公司」というサブチャンネルも案内されています。

このように、現在は書籍の著者という立場にとどまらず、動画を通じて取材者自身の視点を伝える活動にも力を入れています。

【國友公司の評判を検証】読者に支持される理由と作品の注意点

國友公司の評価を考える際には、作品の販売実績、出版業界での評価、取材手法の特徴という3つの観点が参考になります。

『ルポ西成』は長く読まれるロングセラー

デビュー作『ルポ西成』は、刊行後も文庫化され、版を重ねています。

2019年のプレジデントオンラインのプロフィールでは、文庫版を含めて6万部を超えるロングセラーと紹介されました。加えて、2025年のFREENANCE MAGのインタビューでは7万部のロングセラーとして紹介されています。

この数字は掲載時期によって異なりますが、少なくともデビュー作が一時的な話題だけで終わらず、継続して読まれてきたことを示しています。

また、2024年の日刊SPA!では、代表作を含む著書の累計15万部という実績も紹介されました。

漫画家・清野とおるによる推薦も話題に

『ワイルドサイド漂流記』には、漫画家の清野とおるが推薦コメントを寄せています。

文藝春秋の紹介では、同書について、ページをめくるたびに恐ろしくなる一方、その恐ろしさに惹かれて旅に出たくなるという趣旨の評価が掲載されました。

これは、國友作品が社会問題を扱うだけでなく、読み物としてのエンターテインメント性も備えていることを示す一例です。

國友公司の作品が評価される3つの理由

作品の特徴を整理すると、次の3点が挙げられます。

1. 現地の生活が具体的に描かれていること。

取材対象者へのインタビューだけではなく、著者自身が生活を経験するため、食事、仕事、住居、人間関係などが細かく描写されています。

2. 登場人物の個性が強いこと。

國友の作品では、社会的な肩書きや一般的な評価だけでは説明できない人物が数多く登場します。社会から問題視される人々のなかにも、独特の才能や価値観を持つ人がいるという視点が一貫しています。

3. 著者自身が取材対象に影響を受けていること。

一般的な調査報道では、記者と取材対象の距離を保つことが重視されます。一方、國友の作品は、街で暮らすことで自分自身も変化していく過程を含めて描いています。

サイゾーオンラインのインタビューでは、社会的に「ダメ」というレッテルを貼られた人のなかに、本当はすごい人がいることを発見して伝えたいという考えも語っています。

作品を読む前に知っておきたい注意点

一方で、國友公司のルポは、誰にでも読みやすい社会問題の入門書というわけではありません。

暴力、薬物、性風俗、貧困、ホームレス生活など、刺激の強いテーマが扱われることがあります。登場人物の言動も個性的で、一般的な生活感覚とは大きく異なる場面も少なくありません。

また、著者の体験を軸に構成されているため、社会福祉制度の専門的な分析や、全国規模の統計調査を期待して読むと、求めている情報と異なる可能性があります。

作品の魅力は、制度の全体像を説明することよりも、制度の隙間や街の現実を生きる個人の姿を見せるところにあります。

【初めて読むならどれ?】國友公司のおすすめ作品と選び方

國友公司の作品をこれから読む人は、興味のあるテーマによって選ぶとよいでしょう。


興味別・おすすめの読み方



西成やドヤ街の実態を知りたい人

『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』

國友公司の原点。最初の一冊に適しています。


繁華街や裏社会に関心がある人

『ルポ歌舞伎町』

歓楽街の人間関係や、街の暗部を知りたい人向け。


ホームレスや貧困問題を考えたい人

『ルポ路上生活』

住居、食事、行政、生活の維持という問題に迫ります。


冒険的な体験談や人物エッセイが好きな人

『ワイルドサイド漂流記』

国内外の街で出会った強烈な人物とエピソードが中心。


現在の貧困や炊き出しの実態を知りたい人

『ルポ路上メシ』

2025年刊行。2026年に読むなら注目したい作品です。


個人的なおすすめの読み順は、『ルポ西成』から『ルポ歌舞伎町』、続いて『ルポ路上生活』です。

この順番なら、國友公司が街の中に入っていく取材スタイルがどのように変化してきたのかを理解できます。その後に『ワイルドサイド漂流記』を読むと、ルポライターとしての活動だけでは捉えきれない本人の人生観や旅への姿勢が見えてきます。

社会問題への関心が強い人は、『ルポ路上メシ』を先に読んでもよいでしょう。炊き出しという身近な食事の場から、現代の貧困を考えることができます。

【國友公司の読み方・経歴・現在に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:國友公司の読み方は何ですか? A1:國友公司は「くにとも・こうじ」と読みます。1992年生まれ、栃木県那須出身のルポライターです。

Q2:國友公司は筑波大学の何学部出身ですか? A2:筑波大学芸術専門学群の出身です。建築に関心を持って進学し、7年間かけて卒業しました。

Q3:國友公司の代表作は何ですか? A3:『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』『ルポ歌舞伎町』『ルポ路上生活』が代表作です。2025年には『ワイルドサイド漂流記』『ルポ路上メシ』も刊行しています。

Q4:國友公司は本当にホームレス生活を経験したのですか? A4:はい。2021年夏の東京で、約2か月間にわたるホームレス生活を経験し、その記録を『ルポ路上生活』にまとめています。

Q5:國友公司は現在何をしていますか? A5:2026年11月現在、ルポライター・編集者として活動しています。東洋経済オンラインへの記事執筆やYouTubeでの発信を続けています。2026年春には「儲かるブルーカラー」という企画の取材を進めていることも告知しています。

Q6:國友公司には公式YouTubeチャンネルがありますか? A6:「進め! ルポライター國友公司」というチャンネルがあります。街の解説、取材経験、社会問題、ライブ配信などを発信しています。また、「働く! ルポライター國友公司」というサブチャンネルも案内されています。

Q7:國友公司の作品は初心者でも楽しめますか? A7:楽しめます。最初の一冊には『ルポ西成』がおすすめです。現地での生活を通して街を描くという著者独自の取材スタイルが分かりやすく表れています。ただし、作品によっては暴力や貧困など刺激の強い描写があります。

まとめ:國友公司は現場に身を置き、人間の生活を描くルポライター

國友公司は、筑波大学芸術専門学群を7年かけて卒業し、2018年に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』でデビューしたルポライターです。

西成では日雇い労働者やドヤの従業員として生活し、歌舞伎町では街のマンションに住み、東京ではホームレス生活を経験しました。

その取材スタイルは、現地の人々を外側から観察するだけではなく、自分自身も生活の一部に入り込むものです。そこから生まれる作品には、統計やニュースだけでは伝わりにくい、人間の感情や日常が描かれています。

2025年には『ワイルドサイド漂流記』と『ルポ路上メシ』を刊行。2026年には『せやかて、あの街は』への寄稿や東洋経済オンラインでの連載、YouTubeでの発信など、活動の幅をさらに広げています。

今後注目したいのは、2026年春に取材中と告知された「儲かるブルーカラー」という企画です。これまでの貧困や歓楽街の取材とは異なり、現場で働く人々の収入や仕事の実態をどのように描くのか、刊行に向けた動向が気になるところです。

國友公司の作品を読む価値は、普段なら通り過ぎてしまう場所や、自分とは異なる境遇で暮らす人々の存在を、具体的な生活の記録として知ることにあります。街の評判だけでは見えてこない人間の姿を知りたい読者にとって、今後も追いかける価値のある書き手です。

同じカテゴリの記事

藤堂 遥
デジタルマーケター 藤堂 遥
プロフィールを見る →

美容・ファッション担当として8年以上の取材経験。beauty領域の公式発表・配信元の告知を一次情報として確認し、確認できない情報は記事に含めない方針です。

おすすめの関連記事