朝倉海のUFCデビューは、2024年12月7日に開催されたUFC 310。対戦相手は当時のフライ級王者アレシャンドレ・パントージャだった。
RIZINで実績を積み、KOを武器にしてきた朝倉にとって、いきなり王者に挑戦する大舞台。しかし、UFCのトップ選手が持つ組み技の強さを突きつけられる結果となった。
その後、ティム・エリオット戦でも一本負け。2連敗からの再出発となった2026年、階級をバンタム級に移してから流れが変わった。
1. 2024年12月7日:アレシャンドレ・パントージャ戦
大会:UFC 310
対戦相手:アレシャンドレ・パントージャ
階級:フライ級タイトルマッチ
決着:2ラウンド2分05秒
フィニッシュ:リアネイキッドチョーク
UFCデビュー戦で朝倉が挑んだのは、フライ級王者のパントージャ。世界最高峰の舞台で、いきなりタイトルを懸けた試合が組まれた。
パントージャは序盤から積極的に攻め、打撃戦でも朝倉に圧力をかけた。2ラウンドにはバックを奪い、最後はリアネイキッドチョークでタップを奪った。
決着は2ラウンド2分05秒。朝倉はUFC初戦を白星で飾れなかった。
この試合で浮き彫りになったのは、打撃の破壊力だけでは勝ち切れないUFCトップレベルの総合力だ。特に、相手に背後を取られた後の対応は、その後の課題を考えるうえでも要点になった。
UFC公式のUFC 310試合結果でも、パントージャのリアネイキッドチョークによる2ラウンド一本勝ちが記録されている。
2. 2025年8月16日:ティム・エリオット戦
大会:UFC 319
対戦相手:ティム・エリオット
階級:フライ級
決着:2ラウンド4分39秒
フィニッシュ:マウントギロチンチョーク
2戦目の相手は、経験豊富なグラップラーのティム・エリオットだった。
1ラウンドは朝倉も打撃を当てる場面を作ったが、ラウンド終盤にエリオットがテイクダウンを成功させる。
2ラウンドに入ると、エリオットは再びダブルレッグで朝倉を倒し、マウントポジションを確保。そのままギロチンチョークを仕掛け、4分39秒で一本勝ちを収めた。
パントージャ戦に続く2試合連続の一本負け。UFCでの戦績は0勝2敗となった。
ここで注目したいのは、敗戦の共通点だ。どちらも打撃で完全に圧倒された試合ではなく、テイクダウンやポジション争いからフィニッシュを許している。
つまり、朝倉の打撃能力そのものよりも、相手が組み技で試合の主導権を握ったときにどう対応するかが大きな課題だった。
UFC公式の試合レポートでも、エリオットがテイクダウンからマウントを取り、ギロチンで試合を終わらせた経緯が紹介されている。
3. 2026年5月30日:キャメロン・スモザーマン戦
大会:UFC Fight Night:Song vs Figueiredo(マカオ)
対戦相手:キャメロン・スモザーマン
階級:バンタム級
決着:1ラウンド1分50秒
フィニッシュ:打撃によるKO
2連敗から約9か月。朝倉海は2026年5月30日、マカオで開催されたUFC Fight Nightに出場した。
この試合は、フライ級からバンタム級に戻して臨む一戦でもあった。
対戦相手のスモザーマンに対して、朝倉は序盤から積極的に打撃を仕掛ける。右ストレートで相手の動きを止め、続けて左のパンチを当ててダウンを奪った。
そのまま試合を終わらせ、1ラウンド1分50秒のKO勝利を記録した。
UFC公式の試合レポートによれば、朝倉は右のパンチでスモザーマンをぐらつかせ、左のパンチで決着をつけた。
加えて、この勝利はUFCの「Performance of the Night」に選出された。単なる復帰戦の勝利にとどまらず、UFCからもフィニッシュ能力を評価された試合だった。
4. 2026年8月29日:アオリ・チロン戦
大会:UFC Fight Night:Nurmagomedov vs Song(上海)
対戦相手:アオリ・チロン(Aoriqileng)
階級:バンタム級
決着:2ラウンド34秒
フィニッシュ:KO/TKO
2026年8月29日、朝倉は中国・上海でアオリ・チロンと対戦した。
スモザーマン戦に続くバンタム級での2戦目。ここで勝てば、UFC参戦後初の連勝となる重要な試合だった。
1ラウンドは互いに大きなダメージを与えられない展開だったが、2ラウンドに入ると朝倉が試合を動かす。
左ハイキックをクリーンヒットさせて相手を揺さぶり、接近してからのアッパーでダウンを奪取。さらにボディへの膝蹴りと連続打撃を浴びせ、レフェリーストップを呼び込んだ。
決着は2ラウンド開始から34秒。
スモザーマン戦の1ラウンドKOに続き、今度は2ラウンドでKO/TKO勝利を記録した。
UFC公式の試合レポートでは、最初のハイキックからアッパー、膝蹴り、追撃へとつながった一連の攻撃が紹介されている。
【全4試合を時系列で比較】朝倉海のUFC戦績一覧

ここまでの4試合を一覧にすると、UFC参戦後の変化がよく分かる。
UFC公式選手ページ・各大会の公式結果を基に整理。日付は大会開催地基準。
| 日付 | 対戦相手 | 階級 | 結果・決着 |
|---|---|---|---|
| 2024年12月7日 | アレシャンドレ・パントージャ | フライ級 | ● 2R 2:05 一本 |
| 2025年8月16日 | ティム・エリオット | フライ級 | ● 2R 4:39 一本 |
| 2026年5月30日 | キャメロン・スモザーマン | バンタム級 | ○ 1R 1:50 KO |
| 2026年8月29日 | アオリ・チロン | バンタム級 | ○ 2R 0:34 KO |
※KO/TKO・一本を含む決着結果。すべてUFC公式記録に基づく。
この表から読み取れる要点は3つある。
- UFCデビューから2試合はフライ級で、いずれも一本負け。
- 2026年の2試合はバンタム級で、どちらもKO勝利。
- UFC通算成績は2勝2敗で、現在は2連勝中。
特に重要なのは、2026年の2勝がともにKOによるものだという点だ。判定勝ちではなく、自分の持ち味である打撃で明確に勝負を決めている。
なお、UFC公式選手ページにはプロ総合格闘技全体の戦績として23勝6敗も掲載されている。これはUFC内だけの成績ではない。UFCでの2勝2敗とは区別して見る必要がある。
【なぜ2026年に連勝できた?】フライ級からバンタム級への転向が転機に
朝倉海のUFC戦績を分析するうえで、最も注目すべき変化が階級だ。
フライ級とバンタム級の違い
UFCでは、フライ級の規定体重は125ポンド、バンタム級は135ポンド。上限には10ポンド、約4.5kgの差がある。
| 比較項目 | フライ級 | バンタム級 |
|---|---|---|
| 規定上限 | 125ポンド | 135ポンド |
| キログラム換算 | 約56.7kg | 約61.2kg |
| 朝倉のUFC戦績 | 0勝2敗 | 2勝0敗 |
| 主な対戦相手 | パントージャ、エリオット | スモザーマン、アオリ・チロン |
朝倉はUFCデビュー時、フライ級王者パントージャへの挑戦を選んだ。しかし、2試合連続でグラップリングを得意とする相手に一本負けを喫した。
その後、2026年にはバンタム級で再出発。結果は2試合連続KO勝利となった。
連勝の理由1:身体的なコンディションの変化
マカオでのスモザーマン戦について、UFC公式レポートは朝倉がオクタゴンに入った時点で、以前より身体的に快適そうに見えたと伝えている。
階級を上げたことで、フライ級時代とは異なるコンディションで試合に臨めた可能性がある。
ただし、減量負担の軽減だけが勝因だったと断定することはできない。実際の試合内容や対戦相手の特徴も含めて評価する必要がある。
連勝の理由2:打撃の決定力を発揮できたこと
スモザーマン戦では右から左へのコンビネーション、アオリ・チロン戦では左ハイキックからアッパー、膝蹴りへとつなぐ攻撃で決着をつけた。
両試合に共通するのは、相手に大きなダメージを与えた後、攻撃を途切れさせずフィニッシュまで持ち込んだことだ。
朝倉の武器である打撃の爆発力が、UFCの試合でも結果につながっている。
連勝の理由3:バンタム級での試合経験を積み始めたこと
2試合連続で同じ階級に出場したことも重要だ。
階級が変われば、対戦相手の体格、距離感、組みの強さなど、試合の条件も変わる。
バンタム級で2試合を戦い、両方でフィニッシュを記録したことは、今後のマッチメイクを考えるうえで大きな材料になる。
一方、2試合の結果だけでフライ級時代の課題が完全に解消されたとはいえない。特に、テイクダウンを受けた後の対応や、トップ選手との組み技の攻防は今後も注目される。
【UFC2勝2敗は成功か?】朝倉海の現在地と今後の試合予定
2026年11月現在、朝倉のUFC戦績は2勝2敗。数字だけを見ると勝率50%だが、試合の内容を考えると評価は少し変わってくる。
2連敗から2連勝という結果の意味
UFCデビュー戦でタイトルマッチに挑み、2試合目も経験豊富なグラップラーと対戦した朝倉。
最初の2試合では勝利を手にできなかったものの、2026年はバンタム級で2連続KOを達成した。
特にスモザーマン戦は1ラウンド1分50秒、アオリ・チロン戦は2ラウンド34秒という短時間での決着だった。
2試合ともフィニッシュ勝利という点は、朝倉のストライカーとしての価値を改めて示した結果といえる。
UFC全体の戦績と混同しないことも重要
朝倉海の情報を調べると、23勝6敗という数字を目にすることがある。
これはプロ総合格闘技の通算戦績であり、UFCだけの成績ではない。
- プロ総合格闘技通算:23勝6敗
- UFC通算:2勝2敗
- UFCでの現在の連勝数:2連勝
- 2026年のUFC勝利数:2勝
数字の対象を区別すれば、戦績を正しく把握できる。
朝倉海のUFC今後の試合予定は?
2026年11月2日時点で、UFC公式選手ページにはアオリ・チロン戦が最新試合として掲載されている。
次戦の具体的な開催日や対戦相手については、UFC公式の確定発表を確認できない。
今後の注目点は次の3つだ。
1. バンタム級での3連勝を狙えるか: 2026年の連勝を次の試合でも継続できるか。
2. ランキング上位選手との対戦: 2連続KOの実績を踏まえ、どのレベルの相手が組まれるか。
3. 組み技への対応: 過去2敗の要因となったテイクダウンや寝技への対応が改善されているか。
UFC上海やUFCマカオへの出場はすでに実現しており、今後の大会名や対戦相手を確定情報として扱うことはできない。次戦は公式発表を待つ段階だ。
【朝倉海のUFC結果】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:朝倉海のUFC通算戦績は何勝何敗?
A1:2026年11月2日時点で、UFC通算2勝2敗。パントージャとティム・エリオットに敗れ、スモザーマンとアオリ・チロンに勝利している。
Q2:朝倉海がUFCで初勝利を挙げた試合は?
A2:2026年5月30日のキャメロン・スモザーマン戦。UFC Fight Nightマカオ大会で、1ラウンド1分50秒にKO勝利を収めた。
Q3:朝倉海のUFC最新試合はいつ?
A3:2026年8月29日のアオリ・チロン戦。UFC Fight Night上海大会で、2ラウンド34秒にKO/TKO勝利を収めた。
Q4:朝倉海はなぜフライ級からバンタム級に移った?
A4:UFC参戦後の最初の2試合はフライ級だったが、2026年の2試合はバンタム級で戦っている。階級変更後は2連続KO勝利を記録しており、身体的なコンディションや打撃力を発揮できる環境の変化が注目されている。
Q5:朝倉海の次の試合はいつ?
A5:2026年11月2日時点で、次戦の開催日と対戦相手はUFC公式から確定発表されていない。最新情報はUFC公式選手ページや大会発表で確認したい。
まとめ:朝倉海のUFC2勝2敗は再浮上への重要な通過点
朝倉海のUFCでの歩みは、2024年のデビュー戦から2026年の連続KOまで、大きな変化を経験してきた。
改めて全4試合を振り返ると、次のようになる。
- 2024年12月:パントージャに2R一本負け
- 2025年8月:ティム・エリオットに2R一本負け
- 2026年5月:スモザーマンに1R KO勝利
- 2026年8月:アオリ・チロンに2R KO勝利
現在のUFC戦績は2勝2敗。2026年はバンタム級で2連続KO勝利を記録している。
今回の4試合から見えてくるのは、朝倉海の打撃力がUFCでも十分に通用する一方、世界トップクラスの選手と戦うには組み技への対応も欠かせないということだ。
今後の評価を左右するのは、KO勝利をさらに積み重ねられるかだけではない。テイクダウンを仕掛けてくる相手に対して、どこまで自分の打撃の距離を維持できるかも重要になる。
2連敗から2連勝へ。2026年の朝倉海は、UFCで改めて存在感を示した。次戦でどのような相手と対戦し、バンタム級でどこまで勝ち上がるのか。今後の動向に注目したい。