ランキング上位のCMを比較すると、人気を獲得する広告には共通する特徴がある。単に有名人を出演させたり、放送回数を増やしたりするだけでは、視聴者の好感を得ることは難しい。
1. 最初の数秒で興味を引く
テレビCMは短い時間で視聴者に情報を伝える必要がある。そのため、冒頭から印象的な映像や音楽を取り入れ、何の広告なのかを理解してもらう工夫が重要になる。
日清食品のコミカルな演出やマクドナルドのダンスを取り入れた広告は、視聴者の注意を引く方法として特徴的だ。
2. 出演者と商品のイメージが一致している
CM出演者ランキングの上位に入るタレントは、知名度だけでなく、企業が伝えたいブランドイメージとの相性も評価されている。
川口春奈の幅広い企業への起用や、今田美桜のCM露出拡大は、出演者が持つ認知度や親しみやすさが広告戦略に活用されている事例だ。
一方、商品のターゲット層に合わせて若手アーティストやスポーツ選手を起用する動きもある。HANAやtimeleszのメンバーが食品CMに登場するのは、音楽やファンコミュニティーとの接点を広告に取り込む方法の一つだ。
3. 季節や生活シーンに合わせている
マクドナルドの月見シリーズは、秋という季節のイメージと商品を結び付けている。毎年の定番商品を楽しみにしている消費者にとって、CM自体が季節の訪れを知らせる役割を持つ。
こうした広告は、商品の認知だけでなく、購入するタイミングを思い出してもらう効果も期待できる。
4. 音楽やフレーズが記憶に残る
CMソングやキャッチフレーズは、映像を見ていないときにもブランドを思い出すきっかけになる。
昔のヒット曲を再利用したり、童謡を大胆にアレンジしたりする手法は、聞き覚えのある旋律を利用できる点が強い。マクドナルドの『炭坑節』や日清食品の『はとぽっぽ』は、親しみやすさと意外性を組み合わせた例だ。
5. CMを見た後にも楽しめる仕組みがある
テレビ放送だけで広告を完結させず、公式動画、キャンペーン、SNSなどに展開することも重要になっている。
日清食品の公式CMページでは動画の再生数が公開されており、テレビで見た広告を後から視聴することもできる。視聴者が好きなタイミングで見直せる仕組みは、広告への接触機会を増やす。
【ランキングの正しい見方】人気CMの数字に関する誤解を検証

CMランキングを調べる際に注意したいのは、調査会社ごとに指標と対象範囲が違うことだ。同じタレントや企業でも、調査方法が異なれば順位や数値は変わる。
特に混同されやすいのが、CM好感度、CM放送回数、CM出演社数の3つだ。
- CM好感度: 視聴者がどれだけそのCMを好意的に受け止めたか。
- CM放送回数: 対象期間中にテレビで何回放送されたか。
- CM出演社数: 期間中に実際にCMが放送された企業が何社あったか。
CM総合研究所の好感度調査は、回答者にヒントを与えず、好きなCMや印象に残ったCMを思い出してもらう純粋想起方式を採用している。加えて、好感を持った理由や商品への試用意向なども調べている。1989年から調査を続けており、長期的な比較ができる点も特徴だ。
また、ニホンモニターの起用社数は契約書の数ではない。対象期間中に実際にCMが放送された企業を数える方式だ。したがって、契約が存在していても対象期間にCMが放送されなければ集計対象にならない場合がある。
人気を判断する際には、次の基準を使うと情報を整理しやすい。
- 好きなCMを知りたい人:CM好感度ランキング
- テレビでよく見る広告を知りたい人:CM放送回数ランキング
- 人気のタレントを知りたい人:CM起用社数ランキング
- 耳に残る曲を探したい人:CMソングランキング
- 広告の話題性を調べたい人:出演者、音楽、公式動画の反応を総合的に確認
注意したいのは、SNSで話題になったCMや動画再生数の多いCMが、必ずしもテレビCM好感度の1位になるわけではないことだ。インターネット上の再生数、テレビの放送回数、視聴者アンケートは、それぞれ異なる行動や反応を測っている。
【プロの結論】2026年に選ばれるCMは何が違うのか
2026年のCM市場を整理すると、目立つのは「出演者の認知度」「音楽の記憶性」「商品の季節感」「意外性のある演出」の組み合わせだ。
マクドナルドは、月見ファミリーや三角チョコパイのように、商品ごとに出演者や演出を変えながら季節の話題を作っている。日清食品は、timeleszやSixTONESなどの出演者と、ユーモアや音楽を組み合わせて独自の広告表現を生み出している。
出演者の起用実績では川口春奈と今田美桜が上位を争い、放送回数ではGoogleやChatGPTなどデジタルサービスの広告も存在感を示した。テレビCMの人気を左右する要素が、従来の食品や日用品の広告だけにとどまらなくなっていることも2026年の特徴だ。
ランキングを参考にする際には、単独の順位だけで判断せず、調査期間、対象地域、集計方法を確認することが大切である。特に2026年の年間ランキングは、11月4日時点では各社の上半期・月次データと区別して扱う必要がある。
人気のCMに関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年に最も人気のあるCMは何ですか?
2026年10月後期のCM好感度ランキングでは、日本マクドナルドの『三角チョコパイ』が1位となった。10月5日から19日の調査期間で129.3‰を獲得している。
Q2:2026年にCM出演社数が最も多いタレントは誰ですか?
ニホンモニターの2026年上半期調査では、川口春奈が17社で1位。今田美桜と大谷翔平が16社で続いた。ビデオリサーチなど別の調査では数値が異なるため、調査会社と集計期間の確認が必要だ。
Q3:2026年にテレビで最も多く放送されたCMは何ですか?
CM総合研究所の2026年10月度ランキングでは、Googleが1,154回で1位。2位はpovoの1,074回、3位はChatGPTの1,029回だった。
Q4:2026年に話題になったCMソングは何ですか?
マクドナルドの『炭坑節』アレンジや、日清食品の『はとぽっぽ』を使ったカップヌードルのCMが注目された。また、オンエアナビの10月29日更新ランキングでは『学園天国』や『ちょこっとLOVE』なども上位に入っている。
まとめ:2026年の人気CMは好感度・出演者・音楽で比較しよう
2026年の人気CMを調査データから見ると、マクドナルドの『三角チョコパイ』が10月後期の好感度1位、Googleが10月度の放送回数1位という結果になった。企業別ではマクドナルドと日清食品の広告展開が目立ち、出演者では川口春奈と今田美桜が大きな存在感を示している。
また、CMソングでは懐かしい名曲の再利用や替え歌、童謡のアレンジなど、音楽を広告の中心に据える手法が広がっている。
CMの人気は、単にテレビで何度見たかだけでは決まらない。出演者、楽曲、映像、商品との相性、そして視聴者の記憶に残る仕掛けが重なって初めて、長く愛される広告になる。
今後の年間ランキングでは、上半期に好調だった川口春奈や今田美桜の動向に加え、マクドナルドや日清食品の新作CM、デジタルサービスの広告展開にも注目したい。
2026年のCMを評価するなら、好感度・放送回数・出演社数・音楽という4つの視点を組み合わせることが、人気の本当の姿を理解する近道だ。