奥田民生は、ユニコーンのボーカリストであり、バンドの音楽的な中心人物の一人です。ただし、ユニコーンは奥田民生だけを中心に楽曲を作る一般的なボーカル主体のバンドとは少し異なります。
大きな特徴は、メンバー全員が作曲に参加し、それぞれがメインボーカルを担当する自由な音楽スタイルです。ソニー・ミュージックアーティスツの公式プロフィールでも、メンバー全員が曲を作り、歌うバンドとして紹介されています。
そのため、奥田民生はユニコーンの顔でありながら、バンド全体の個性を構成する5人のうちの一人でもあります。楽曲によってボーカルが変わり、演奏する楽器も柔軟に入れ替わる。この多彩さが、ユニコーンならではの魅力につながっています。
奥田民生がユニコーンに加入した経緯
奥田民生は1965年5月12日、広島県生まれ。1987年にユニコーンのメンバーとしてメジャーデビューしました。
興味深いのは、奥田自身がユニコーンへの参加を最初から即決したわけではなかったことです。2022年にJ-WAVEのインタビューで、奥田はユニコーン結成が自身の人生の大きな転機だったと振り返っています。一度誘いを断ったものの、最終的には参加することになったという経緯も明かしました。
もし当時、別のバンドを組む道を選んでいたら、現在の奥田民生のキャリアも、ユニコーンの歴史も違ったものになっていた可能性があります。
ユニコーンは奥田民生のソロプロジェクトではない
ユニコーンと奥田民生の関係を理解するうえで押さえておきたいのが、バンド内における創作の分担です。
奥田がメインボーカルを務める楽曲が広く知られている一方、EBIやABEDONなど、ほかのメンバーも作曲やボーカルで存在感を発揮してきました。
つまり、ユニコーンは奥田民生のバックバンドではなく、メンバーそれぞれの音楽的な発想がぶつかり合う集合体です。ソロ活動で見せる奥田の自由な表現と、5人で作り上げるユニコーンの音楽は、似ているようで異なる魅力を持っています。
【歴代メンバー一覧】ユニコーンの結成メンバーと現在の5人

ユニコーンは1986年の結成時から、現在とまったく同じメンバー構成だったわけではありません。初期にはキーボード担当の向井美音里が在籍し、1988年に阿部義晴(現在のABEDON)が加入しています。
このメンバー交代を経て、現在まで続く5人体制が形作られました。歴代メンバーと現在の関係を整理すると、次のようになります。
ユニコーンのメンバー・関係性一覧
| 人物 | 主な担当 | ユニコーンとの関係 |
|---|---|---|
| 奥田民生 | ボーカル・ギター | 1986年の結成メンバー。ソロでも活動 |
| EBI(堀内一史) | ベース・ボーカル | 1986年の結成メンバー |
| 手島いさむ | ギター・ボーカル | 1986年の結成メンバー |
| 川西幸一 | ドラム・ボーカル | 1986年の結成メンバー。1993年に脱退し、2009年に復帰 |
| ABEDON(阿部義晴) | キーボード・ボーカル | 1988年加入。現在の5人体制を構成 |
| 向井美音里 | キーボード | 1986年の結成時メンバー。1988年に脱退 |
メンバーの変遷は、ユニコーン公式サイトとソニーミュージックのプロフィールに掲載されたバンドの沿革に基づいています。
現在のユニコーンはどんなメンバー構成?
奥田民生
バンドのボーカル・ギターを担当。ユニコーンの代表的な歌声として知られる一方、ソロアーティストとしても幅広く活動しています。
EBI
ベースを担当するメンバーで、ボーカルも務めます。本名は堀内一史。バンド初期から在籍するオリジナルメンバーです。
手島いさむ
ギタリストとしてユニコーンのサウンドを支えています。楽曲制作やボーカルでも存在感を発揮するメンバーです。
川西幸一
ドラム担当。1993年にバンドを離れましたが、2009年の再始動で復帰しました。リズム面でバンドを支える重要な存在です。
ABEDON(阿部義晴)
キーボードを中心に担当。1988年に加入し、ユニコーンの音楽性を広げてきました。2009年の再始動につながるきっかけを作った人物としても知られています。
現在の5人は、全員が還暦を迎えた世代です。それぞれが異なる音楽経験を積み重ねてきたからこそ、長い活動休止期間を経ても、独特のバンドサウンドを維持できています。
【1993年に解散した理由】ユニコーンに何が起きていたのか
ユニコーンは1993年9月21日、ニッポン放送のラジオ番組「オールナイトニッポン」で解散を発表しました。
人気バンドとして活動していたユニコーンがなぜ解散したのか。背景を理解するには、解散発表の直前だけでなく、1992年から1993年にかけてのメンバーの動きを見る必要があります。
解散前から始まっていた個人活動
公式バイオグラフィーを見ると、解散発表より前から各メンバーは個人名義での活動を進めていました。
1991年にはEBIがソロアルバムを発表。1992年には奥田民生がソロシングル「休日」をリリースし、阿部義晴、川西幸一、手島いさむもそれぞれソロ作品を発表しています。
つまり、1993年の解散は突然の出来事というより、メンバーそれぞれが自分の音楽活動を模索していた時期の延長線上にあったと考えられます。
解散理由として語られた「ネタがなくなった」
2009年の再始動を報じた日刊スポーツの記事では、当時の解散理由について「ネタがなくなった」と説明されていたことが紹介されています。
この表現は、メンバー同士の深刻な対立や特定の人物の問題だけで解散したというイメージとは異なります。ユニコーンは、メンバー全員が楽曲制作に参加し、それぞれの個性を前面に出すバンドでした。
創作の自由度が高い一方で、各メンバーが新しい表現を求めれば、バンドという一つの枠組みから離れて活動する選択肢も生まれます。個々のソロ活動が進んでいた事実を踏まえると、創作上の区切りという側面も読み取れます。
ただし、「ネタがなくなった」という一言だけで、メンバーそれぞれの考えや解散に至る事情のすべてを説明できるわけではありません。
解散直前の重要な出来事
1993年2月には川西幸一が脱退。その後、残るメンバーはツアーを続け、8月12日に「4946」ツアーを終えています。そして9月21日に解散を発表しました。
解散発表前の最後のシングルとなったのが、1993年4月21日発売の「すばらしい日々」です。バンドの歴史を知ってから聴くと、この楽曲が持つ独特の余韻も違って感じられる可能性があります。
【2009年に再結成した経緯】16年の空白を埋めたメンバーの再会
1993年の解散から16年。ユニコーンは2009年に再始動を発表しました。
再結成のきっかけとして報じられたのが、2008年の新年会でのメンバー同士の会話です。キーボード担当の阿部義晴が、時間を経たメンバーで再び演奏したらどうなるのかという趣旨の話を持ちかけ、奥田民生も楽曲を作ってみれば分かるという考えを示したと日刊スポーツが伝えています。
再始動は単なる懐かしさだけではなく、もう一度5人で音楽を作ることへの好奇心から動き始めたものでした。
2009年の再始動から現在までの主な歩み
2009年1月5日、ユニコーンは公式サイトで再始動を発表。同年2月4日にシングル「WAO!」、2月18日にアルバム「シャンブル」を発売しました。
さらに3月から全国ツアー「蘇える勤労」を開催。テレビ出演も1993年以来となり、再始動は音楽シーンで大きな話題になりました。
その後もユニコーンは活動を継続。2017年にはデビュー30周年、2019年には再始動10周年を迎え、2023年にはオリジナルアルバム「クロスロード」を発表しています。
こうした歩みから分かるのは、2009年の再結成が一時的な記念企画ではなかったということです。新作の制作やツアーを重ね、現在まで継続するバンド活動として定着しています。
【奥田民生のソロ活動とユニコーンの違い】2つの顔を持つアーティスト
奥田民生はユニコーンの解散後、1994年にシングル「愛のために」を発売し、ソロ活動を本格化させました。
その後、「イージュー★ライダー」「さすらい」などのヒット曲を生み出し、シンガーソングライターとして確固たる地位を築きました。さらにPUFFYや木村カエラのプロデュース、井上陽水とのコラボレーションなど、活動の幅を広げています。
奥田民生の公式プロフィールには、弾き語りライブ「ひとり股旅」、レコーディングライブ「ひとりカンタビレ」、バンドスタイルの「MTR&Y」など、多様な活動形態が掲載されています。
ソロとユニコーンの違い
| 比較項目 | 奥田民生のソロ | ユニコーン |
|---|---|---|
| 音楽制作 | 奥田民生自身の表現が中心 | 5人の個性が融合 |
| ボーカル | 奥田民生 | メンバーが曲ごとに担当 |
| 楽曲の方向性 | シンガーソングライターとしての自由度 | バンドならではの多彩さ |
| 活動形態 | 弾き語り・バンド・プロデュースなど | バンドとしての制作・ライブ |
| 代表的な作品 | 愛のために、イージュー★ライダー、さすらい | 大迷惑、働く男、すばらしい日々 |
この違いは、どちらが本来の奥田民生なのかという問題ではありません。ソロでは自分の表現を追求し、ユニコーンではほかのメンバーとの共同作業から生まれる予想外の音楽を楽しむ。両方の活動が並行することで、奥田民生の音楽的な魅力はさらに広がっています。
ソロ活動がユニコーンの再始動にもたらしたもの
ソロ活動を経験したことで、奥田民生は自分の音楽を一人で作り上げる自由と、複数のミュージシャンと共同制作する面白さの両方を経験しました。
2009年の再始動を報じた日刊スポーツの記事では、奥田がバンドで活動することについて、ソロとは違う感覚を持っていたことも紹介されています。
ユニコーンには奥田以外にも4人のメンバーがいます。自分一人ですべてを決めるのではなく、ほかのメンバーの発想に刺激を受けながら音楽を作る。その違いこそが、再始動後のユニコーンの魅力を支える要素の一つです。
【ユニコーンの代表曲】大迷惑・すばらしい日々など名曲の魅力
ユニコーンには、1980年代後半から1990年代前半の活動期に生まれた楽曲だけでなく、再始動後の作品にも多くのファンに愛される曲があります。
大迷惑
「大迷惑」
1989年4月発売・初のシングル
ユニコーンの代表曲として広く知られる一曲。オーケストラを取り入れた映像表現も話題になり、バンドのユニークな音楽性を印象づけました。
「大迷惑」は、ユニコーンが初めてリリースしたシングルです。オリコンの作品情報では、最高順位12位、ランキング登場17週と記録されています。
すばらしい日々
「すばらしい日々」
1993年4月21日発売
解散を発表した1993年にリリースされた楽曲。ユニコーンの活動史を象徴する作品の一つとして知られています。
「大迷惑」の持つユニークさとは対照的に、「すばらしい日々」は、バンドの歩みを振り返ると特別な意味を持つ楽曲です。解散発表の約5か月前に発売されており、後年のファンにとっても印象深い一曲になっています。
そのほかの代表曲
働く男
1990年発売
ユニコーンのポップな側面を知るうえで外せない楽曲です。
雪が降る町
1992年発売
年末の定番曲としても親しまれている作品です。
WAO!
2009年発売
16年ぶりの再始動を象徴するシングルです。
これらの作品を聴き比べると、初期のユニコーンが持っていた自由な発想と、再始動後のバンドが持つ成熟したサウンドの違いも楽しめます。
【2026年最新】アルバム「あたえてこ」と全国ツアー「こえてたあ」
2026年のユニコーンは、過去のヒット曲を披露するだけの懐かしのバンドではありません。新しいオリジナルアルバムを発売し、2026年から2027年にかけて全国ツアーを開催するなど、現役のロックバンドとして活動を続けています。
約3年半ぶりの新作「あたえてこ」
「あたえてこ」
2026年10月21日
全13曲収録
初回盤 CD+Blu-ray:6,490円(税込)
通常盤 CD:3,850円(税込)
2026年10月21日に発売された「あたえてこ」は、前作から約3年半ぶりとなるオリジナルアルバムです。
ソニーミュージックの公式発表によると、収録曲は全13曲。ユニコーンらしいユーモアや遊び心に加え、メンバー全員が還暦を迎えた現在だからこそ表現できる円熟したバンドサウンドが特徴です。
アートワークとロゴデザインは、アートディレクターの吉田ユニが担当。メンバーの現在の姿と作品の世界観を反映したビジュアルも見どころになっています。
「あたえてこ」の収録曲一覧
| 番号 | 曲名 |
|---|---|
| 1 | クレナイノハ |
| 2 | 夜の星流れ |
| 3 | Beat It いいジイ |
| 4 | まねしてみようかと |
| 5 | クッキンGood |
| 6 | ナルハヤヤリナハレ |
| 7 | シャルドネな夜 |
| 8 | チャンスじゃん |
| 9 | 紅の太陽 |
| 10 | 誰もくれない |
| 11 | Grand Tour |
| 12 | セミフリー |
| 13 | FUJIYAMA |
収録曲には「クレナイノハ」や「Beat It いいジイ」など、ユニコーンらしい遊び心を感じさせるタイトルが並んでいます。
また、アルバム発売に先立ち、J-WAVE「STEP ONE」と連動した楽曲紹介企画も実施されました。メンバーのコメント付きで収録曲を順次公開し、縦型ショート動画も制作されています。
CDだけでなく、2026年12月2日には完全生産限定のアナログ盤も発売予定です。価格は4,400円(税込)。アナログ盤を集めているファンにとっても注目のリリースです。
全国ツアー「こえてたあ」は2026年12月から2027年3月まで
UNICORN全国ツアー2026-2027「こえてたあ」
19公演
15会場・2026年12月〜2027年3月
前売り全席指定:9,500円(税込)
アルバム「あたえてこ」に続く大きな話題が、全国ツアー「こえてたあ」です。2026年12月5日の神奈川県・厚木市文化会館を皮切りに、2027年3月28日の広島公演まで、全国15会場19公演が予定されています。
ツアータイトルについて、公式発表では「還暦を超えたその先に何があるのか」というメッセージも紹介されています。年齢を重ねても活動を続ける5人の現在地を象徴するタイトルです。
2026〜2027年の公演スケジュール
| 日程 | 都道府県 | 会場 |
|---|---|---|
| 2026年12月5日 | 神奈川 | 厚木市文化会館 |
| 12月12日 | 石川 | 本多の森北電ホール |
| 12月17日 | 愛知 | 愛知県芸術劇場 大ホール |
| 12月20日 | 北海道 | 札幌文化芸術劇場 hitaru |
| 2027年1月16日 | 大阪 | フェスティバルホール |
| 1月24日 | 福島 | いわき芸術文化交流館アリオス |
| 1月30日 | 神奈川 | パシフィコ横浜 |
| 1月31日 | 神奈川 | パシフィコ横浜 |
| 2月7日 | 新潟 | 新潟テルサ |
| 2月11日 | 京都 | ロームシアター京都 |
| 2月13日 | 兵庫 | 神戸国際会館こくさいホール |
| 2月21日 | 熊本 | 市民会館シアーズホーム夢ホール |
| 2月23日 | 福岡 | 福岡サンパレス |
| 3月6日 | 宮城 | 仙台サンプラザホール |
| 3月7日 | 宮城 | 仙台サンプラザホール |
| 3月13日 | 東京 | 東京ガーデンシアター |
| 3月14日 | 東京 | 東京ガーデンシアター |
| 3月27日 | 広島 | 上野学園ホール |
| 3月28日 | 広島 | 上野学園ホール |
公演日程と会場はユニコーンの公式特設サイトに掲載されたスケジュールに基づいています。2026年11月4日時点では、ツアー初日の12月5日を迎える前です。チケット情報や追加のお知らせは公式発表で確認できます。
2026年のユニコーンが注目される理由
今回の活動で注目したいのは、メンバー全員が還暦を迎えた後も、新作制作と全国ツアーを両立させている点です。
1986年の結成から40年という節目を迎えた2026年。ユニコーンは過去の成功を再現するだけではなく、新しいアルバムを作り、新しいツアー名を掲げています。
若い頃の勢いや懐かしさだけに頼らず、長年培ってきた音楽的な関係性を生かして活動する姿は、ユニコーンの現在を知るうえで要点です。
【奥田民生とユニコーンのよくある質問(FAQ)】
Q1:奥田民生はユニコーンを脱退したことがある?
A1:1993年の解散後、奥田民生はソロ活動を本格化させましたが、2009年の再始動ではメンバーとして復帰しています。現在もユニコーンのボーカル・ギターとして活動しています。
Q2:ユニコーンの解散理由は何?
A2:当時の解散理由については「ネタがなくなった」と説明されていたことが報道されています。解散前からメンバーそれぞれがソロ活動を進めており、個々の音楽活動の広がりも背景として考えられます。
Q3:ユニコーンの再結成はいつ?
A3:2009年1月5日に公式サイトで再始動を発表しました。1993年の解散から16年後のことです。
Q4:ユニコーンの現在のメンバーは誰?
A4:奥田民生、EBI、手島いさむ、川西幸一、ABEDONの5人です。1986年の結成時に在籍していた向井美音里は、1988年に脱退しています。
Q5:2026年の新アルバム「あたえてこ」はいつ発売された?
A5:2026年10月21日に発売されました。全13曲を収録した約3年半ぶりのオリジナルアルバムです。
Q6:ユニコーンの2026〜2027年ツアーはいつ開催される?
A6:全国ツアー「こえてたあ」は2026年12月5日から2027年3月28日まで開催予定です。15会場19公演が発表されています。
まとめ:奥田民生とユニコーンは別々の道を歩みながら進化を続けている
奥田民生とユニコーンの関係は、単なるボーカリストと所属バンドという枠に収まりません。1986年の結成、1993年の解散、2009年の再始動を経て、互いの音楽的な個性を生かしながら活動を続けてきました。
奥田民生はソロアーティストとして「愛のために」「イージュー★ライダー」「さすらい」などの作品を生み出し、プロデューサーとしても活躍。一方のユニコーンは、メンバー全員の個性を生かしたバンドとして独自の道を歩んでいます。
2026年にはアルバム「あたえてこ」を発売し、全国ツアー「こえてたあ」もスタートを控えています。結成から40年という時間を経ても、新しい作品を作り続ける5人の姿は、ユニコーンが過去の人気だけで語られるバンドではないことを示しています。
これからユニコーンを聴く人には、まず「大迷惑」「働く男」「すばらしい日々」などの初期の代表曲から入り、2009年の「WAO!」、そして2026年の「あたえてこ」へと聴き進める方法がおすすめです。奥田民生のソロ作品も合わせて聴けば、同じアーティストが異なる環境で生み出す音楽の違いを楽しめます。
解散を経験しても、再び集まり、新しい音楽を届ける。奥田民生とユニコーンの物語は、2026年もまだ続いています。